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毎月、月の初めにはレセプト請求業務、診療報酬明細書の提出があります。
診療報酬明細書のことをレセプトというのは、もうご存知ですよね?
11月の初めに提出するのは、10月分のレセプトです。
その頃、レセプト提出とは別に、国保連合や支払基金から査定や返戻された書類が届きます。
中にはそれぞれのお知らせ・情報、増減点連絡書、資格確認結果連絡書などが入っているのです。
数か月前から連絡事項として「振替・分割」という文字は目にしていました。
でも、実はあんまり気にしていなかったのです(;^_^A
他人事のように、うちには関係ないのでは?とさえ思っていました。
令和3年9月診療分以降からということだったので、そろそろ知らないでは済まされなくなってきたような・・。
これではいかん!
関係なくはないのです。
もう11月なので本格的にチェックしてみました。
今日は、電子レセプトの振替・分割についてわかっていることを書いてみようと思います。
電子レセプトの請求先の振替・分割とは?
患者さんの診療費を請求するレセプトを提出しても、収入にならず返戻といった形でかえってくるものがあります。
この中で、保険証の資格確認がきちんとできていないという場合。
医療事務の確認ミスなのか、そもそも患者さんが持って来られた保険証自体が違っていたのか、理由はいろいろです。
この保険証の資格確認の間違いが減れば、おのずと返戻も少なくなるでしょう。
オンライン資格確認
レセプトの請求に関しては、紙媒体の請求と電子レセプトがあります。
もうほとんどが電子レセプト請求でしょう。
オンライン上で簡単に送信している病院や電子媒体(CD-Rなど)で提出しているところもあります。
レセプト請求も昔と違って、ほとんどが電子化なのです。
電子化といえば・・。
今年令和3年の3月から、オンライン資格確認というものが始まっていたのを覚えておられますか?
以前にこちらの記事でも書いています。
『オンライン資格確認の導入はいつまで?診療所で普及するの?』
このオンライン資格確認だと、たとえ患者さんが期限の切れた保険証を持って来られたとしても、オンラインで最新の情報がわかるのです。
現段階でどれくらいの医療機関で普及しているのか、実際のところ私は知らないのですが・・(^^;)
まだ、顔認証付きカードリーダーの実物を見たことがありません。
って、大きな病院へ行く機会も今のところないので、目にしたことがないだけの私・・。
保険証の確認業務に関しては、返戻をなくすのに重要なこと。
オンライン資格確認は医療事務にとっては返戻が少なくなるので好都合です。
でもまだうちも導入していないし、医療事務スタッフの確認業務の正確さにかかっています。
請求先の振替・分割について
ですが、いくら医療事務がきちんと確認しても患者さんが持参された保険証が違っていては、元も子もありません。
オンライン確認を導入していて即座にチェックできると良いのですが・・。
そうではない医療機関なら、今まで通り返戻ですよね(;^_^A
と思っていたのですが・・。
このところ「振替・分割」という件について、何度か連絡が入っていました。
そう、このシステムにより以前と比べて返戻が少なくなるかもしれないという朗報だったのです。
支払基金や国保連合で資格変更が発覚した場合は、そこで対処してもらえちゃうとか(*^^)v
電子レセプトに記載された保険者番号・記号・番号・枝番、生年月日を確認して、資格の変更が発覚したとき。
レセプトをそれぞれの保険者へ振替や分割にしてくれるというのです。
オンライン資格確認をしてる・していないに関わらず、全ての電子レセプトについてです。
資格が変更になっている場合は、振替もしくは分割してくれるのですね~。
これって、ちょっと喜ばしいお知らせじゃーないでしょうか。
今まで返戻となっていたレセプトが少なくなるというのですから・・。
まぁグッドニュースなのですが、あくまでも新資格が判明している場合だけです。
レセプトが全く戻ってこないというわけではありません。
そうじゃないと、カードリーダーを導入する意味がないですもんね(^^;)
たとえば、保険証の資格が切れていた場合。
社会保険証の期限についてはほぼ書いていないので、窓口の受付事務では分かりません。
そのままの保険証で受け付けて、レセプト請求してしまいます。
でもオンライン資格確認を導入していると、その場で保険の資格状況が確認できるのです。
たとえ新資格が判明できなくても、患者さんに現在の保険証は使えない旨を話し、新しい保険証について尋ねることができます。
勤務先が変更になっているのならその職場での保険証。
お勤めではなく国民保険料を支払っておられるのなら、国民健康保険証に変更になっているはず。
オンライン資格確認をすることによって、もっと返戻が少なくなるというわけ。
患者さんは資格喪失していても、手元にある保険証をどうしても持参されます。
企業の旧保険証の回収が遅いから無理もありません。
保険証のしくみを理解されていない患者さんもおられるのです。
返戻には、この資格喪失のための返戻が少なくありません。
今回はカードリーダーをまだ導入していなくても、資格確認が支払基金や国保連合でされたときは返戻とならないわけです。
それが振替・分割。
振替・分割の違い
では、この振替・分割にはどんな違いがあるのでしょうか。
これは、保険証の資格がいつからなのかという点で変わってきます。
・振替
一ヶ月(当該月)の間に、受診した日が全て新しい保険証の場合。
その月のいつから新しい保険証なのか資格の認定日によるのですね。
たとえば・・。
・月の初め1日から保険証の資格が変わっていたのに、以前の保険証を持って来られたとき。
・その月の10日から新しい保険の資格があって、15日に古い保険証で受診されたとき。
ようするに、受診された全ての日が新資格の場合、新しい保険者宛てにレセプト請求してもらえるということになります。
変更後の新しい資格の保険者へ、振替してレセプトを送付してくれるいということです。
・分割
月の途中から資格変更になり、一ヶ月の間に旧保険者のときに受診、新保険者のときにも受診した場合。
新旧それぞれの保険者へ分割してレセプトを送付してくれるということ。
資格日に応じて、患者さんの受診日が新旧の日付をまたぐときは分割です。
今まで通り返戻となるパターン
レセプトの振替・分割は医療事務にとっては有り難いことです。
患者さんが仕事を辞めたなどと申し出てくれない限り、保険証の資格喪失はわからない場合もあるので助かります。
では、今まで通り返戻となるのは?
振替・分割とはならない対象外とは、どんな場合でしょうか。
それは、請求先の変更ではなく記載誤りのときです。
もちろん、レセプトの請求先が変更となっているときは振替・分割してもらえます。
詳しく書きますね。
* 記号・番号・枝番の間違い
* 生年月日の違い
* 氏名・性別の違い
* 該当者がいない
保険者番号の入力ミスや記号が合っていない、枝番が違うなどは返戻対象です。
枝番に関しては、現段階ではまだ移行期なので即もどってくることはないと聞いています。
枝番に関することは、こちらの記事もどうぞ。
『保険証の枝番はいつから?変更理由を医療事務は知っている?』
ただ、枝番を記号・番号の欄に入力してしまうと返戻です。
レセプトの枝番の入力場所には気を付けましょう。
どれにしても、保険証をしっかり確認して一字一字、間違いのないようにチェックしなければいけません。
他にも振替・分割の対象外となる場合があります。
* 公費負担のあるレセプト
* 高額療養費の現物給付対象レセプト
* 令和3年8月以前のレセプト
* 負担割合の異なるレセプト
など、他にもまだ細かいことはあります。
厚生労働省のページでも確認してみてくださいね。
保険証確認はしっかりと行って返戻にならないようにしたいものです。
まとめ
今日は令和3年9月分のレセプトから、返戻が少なくなっていくというお話しでした。
レセプトの振替・分割って何?と思われているあなたへ。
私自身の確認のためにも書いてみました。
お知らせは「資格確認結果連絡書」によりあります。
振替・分割の他に、資格喪失という区分もありました。
受診された以前から、もうすでに保険証の資格はなく企業の回収もされず、そのまま使えない保険証を出されたパターンです。
数か月前から資格喪失していたのに、旧保険証を持って来られるなんてことも(^^;)
これって、本当に保険証に期限がないのでわからないのですよね~。
医療事務泣かせです(笑)
しっかり確認しても、どうしようもないですから・・。
この場合も、資格喪失だとして令和3年9月分からは返戻になっていません。
これからは、レセプトに記載した保険者へ請求してくれるようです。
保険証を早く回収しなかったせいですよね・・(一一”)
ということで、振替・分割についてはこのへんでおしまい!
査定・返戻レセプトのチェックをしている真っ只中「くぅ」からの備忘録でした。