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在宅酸素の管理料について。診療報酬点数による費用としくみ

この記事は約 14 分で読めます。

在宅酸素の管理料

 

医療事務のおばさん「くぅ」です!

胸部レントゲンを撮影すると、肺がちょっと長いってよく言われます。

 

上下に引き伸ばされたような感じらしいです。

よく分かりませんが、肺気腫気味?なんて勝手に思っています(笑)

 

気管支系弱い方だし、最近、なんとなく呼吸がしにくい気もするし・・。

まぁ、苦手なマスクのせいもあるでしょうが・・。

 

患者さんが、初めて在宅で酸素導入をすることになったときも、私も将来、お世話になるかもしれないなどと思わなくもないわけです(;^_^A

 

なんとなく息苦しいとか、呼吸がしづらいとか、そんな症状が悪化したら・・、ちょっぴり不安(-_-;)

あ~、私のことは横の置いといて。

 

うちの診療所では、在宅酸素を始める患者さんが多くはいません。

 

でも、いざ導入となったときに焦らないように、医療事務として診療報酬点数の確認はしておいた方が良いですよね。

 

ということで、私の備忘録としても・・。

 

今日は、在宅酸素の管理料をはじめ、レセプト作成・コメント・加算点などについて書いておきます。

 

診療報酬点数がわかると、患者さんに支払って頂く費用もわかりますからね。

 

 

 

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在宅酸素の導入で算定できる管理料や加算点

 

まず、自宅で酸素吸入をしたいということですから『在宅』というところが大事。

在宅医療という項目の管理料が算定できます。

 

うちのような小さな医院で、よく登場するのが「在宅自己注射指導管理料」。

糖尿病の患者さんが、自宅でインスリン注射を使用されている場合に取ります。

 

こちらの記事も参考にしてください。

糖尿病のインスリンに管理料を算定。取り忘れの点数はない?

 

 

もう一つ、無呼吸症候群の患者さんが、睡眠中に鼻マスクをつけておられる場合。

これも「在宅持続陽圧呼吸療法管理料」という管理料が算定できます。

 

在宅持続陽圧呼吸療法管理料のコメント。無呼吸症候群の算定

この記事で確認できます。

 

 

今回の在宅酸素の管理料は「在宅酸素療法指導管理料」というもの。

詳しくみていきますね。

 

 

在宅酸素療法の導入

 

酸素飽和度(SpO2)を測定するパルスオキシメーター。

院内にも設置してある酸素ボンベ。

 

時々、酸素吸入をされる患者さんには活躍します。

 

そのボンベのカートを引っぱって、チューブを鼻につけている患者さんを大きな病院で見たことがありませんか。

 

自宅で酸素吸入をしていて、通院のときには携帯しておられるということです。

 

もちろん、誰でもこの在宅酸素療法を取り入れられるわけではありません。

 

医師による診察や検査、診断によって決まります。

慢性呼吸不全の患者さんで、医師が必要と判断された場合です。

 

医師の指示のもと導入が決定すると、契約している在宅酸素の医療機器を取り扱っているメーカーと連絡を取るわけ。

 

在宅酸素の医療機器をレンタルするような感じで、患者さんに貸し出すのです。

 

この医療機器を購入しなくてはならなかったら、高額になるかもしれませんよね。

 

貸し出すことにより患者さんの負担は減っていますが、診療報酬点数に則って医療費は支払ってもらいます。

 

医療機関は、ここから医療機器のメーカーへレンタル料を支払うというシステム。

 

患者さんは、先生の診断や指示・注意事項・処方についてよく説明を聞いて、メーカーから在宅酸素の医療機器を届けてもらいます。

 

これで、HOTのはじまりです。

 

あっ!

在宅酸素療法は、Home(在宅) Oxygen(酸素) Therapy(療法)の頭文字をとって、HOT(ホット)と呼ばれています。

 

 

在宅酸素療法指導管理料の算定

 

在宅酸素が導入されると、医学管理料として「在宅酸素療法指導管理料」が算定できます。

 

C103 在宅酸素療法指導管理料

1 チアノーゼ型先天性心疾患の場合 520点
2 その他の場合 2,400点

注1 在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅酸素療法に
関する指導管理を行った場合に算定する。

 

診療点数早見表より

 

在宅酸素療法指導管理料は月に1回の算定です。

 

もし、患者さんが他の管理料の疾患があった場合は、主たるもののみ算定となるので両方は取れません。

 

たとえば、酸素吸入もしていて、糖尿病により在宅でインスリン注射をされていた場合は、診療報酬点数の高い方を選択します。

 

 

在宅酸素の管理料のほかに、材料加算という点数も算定できるので、こちらもお忘れなく。

 

C157 酸素ボンベ加算

1.  携帯用酸素ボンベ  880点
2. 1以外の酸素ボンベ  3,950点
注 在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、酸素ボンベを使用した場合に、3月に3回に限り、第1款の所定点数に加算する。

 

C158 酸素濃縮装置加算  4,000点

注 在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、酸素濃縮装置を使用した場合に、3月に3回に限り、第1款の所定点数に加算する。ただし、この場合において、区分番号C157に掲げる酸素ボンベ加算の2は算定できない。

 

C159 液化酸素装置加算

1.  設置型液化酸素装置  3,970点
2.  携帯型液化酸素装置  880点

注 在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、液化酸素装置を使用した場合に、3月に3回に限り、第1款の所定点数に加算する。

 

C159-2 呼吸同調式デマンドバルブ加算  300点

注 在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、呼吸同調式デマンドバルブを使用した場合に、3月に3回に限り、第1款の所定点数に加算する。

 

診療点数早見表より

 

 

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チアノーゼ型先天性心疾患以外の場合でいうと・・。

在宅酸素療法指導管理料   2400点
酸素ボンベ加算        880点
酸素濃縮装置加算      4000点
液化酸素装置加算       880点
呼吸同調式デマンドバルブ加算 300点

 

材料加算は、患者さんがレンタルされた材料によって点数は変わってきますが、主にはこんな感じ。

 

で、基本は月1回の受診(通院・往診)が必要で、先生による管理と指導があります。

 

仮に、通院が一ヶ月を超えて次月になってしまった場合。

1/28に受診して、一ケ月後の2/28に来院できず、3/1になってしまったときです。

 

2月の在宅酸素療養指導管理料は算定できませんが、3月には2月分の材料加算は算定できます。

2ヶ月分、取れるのですね。

 

診療点数早見表にも書いてあるとおり、3月に3回に限り所定点数に加算できるとありますから・・。

 

レセプトには在宅酸素療法として管理料と加算点、合算で記載します。

 

 

レセプトのコメントは?

 

在宅酸素の導入には、管理料の他に材料加算も取れるのですね~。

 

では、ここでレセプ提出の際に、注意しなければならないことを書いておきます。

 

在宅酸素療養指導管理料を算定するとき。

 

患者さんには、動脈血酸素分圧測定(PaO2)を月1回程度実施しなければならないとなっています。

経皮的動脈血酸素飽和度測定器による酸素飽和度(SpO2)でもOK。

 

このどちらかを、選択式のコメントコードにより入力しなければなりません。

 

ハイ!( ̄ー ̄)

あの例の「診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧」という面倒くさいやつです(笑)

 

 

こちらの記事となっています。

レセプトにコメントが必要?令和2年10月分から義務化の件

 

 

D223 経皮的動脈血酸素飽和度測定 30点は、在宅酸素療法指導管理料を算定したときには、
取れないとなっています。

 

パルスオキシメーターで検査をしても、費用は発生しないので、間違えないようにしましょう。

 

 

もう一つ。

先ほどの・・、3月に3回に限り所定点数に加算という件。

 

1ヶ月に2回分の算定を行う場合も、摘要欄にコメントが必要です。

これは選択式コードではなくフリーコメントで、前月分をも算定したという記載はしておきましょう。

 

病名に関しては、在宅酸素療法の対象疾患が

・高度慢性呼吸不全例
・肺高血圧症
・慢性心不全
・チアノーゼ型先天性心疾患及び重度の群発頭痛の患者である

となっているので、参考まで。

 

病名は医師がつけるものですけど・・(^^;)

 

在宅酸素の管理料のボンベ加算

 

 

かかる費用は保険適用?

 

在宅酸素療法は、医師が指示したのなら保険適用となります。

1985年から保険扱いになったとか。

 

在宅酸素療法指導管理料   2400点
酸素ボンベ加算        880点
酸素濃縮装置加算      4000点
呼吸同調式デマンドバルブ加算 300点

在宅酸素の管理料と選んだ医療機器の材料加算が、こんな感じだった場合。

 

これを合計すると、7580点。

1割負担の高齢者の患者さんだとすると、7580円ですね。

 

その他に、初・再診料や処方料などの費用もかかるので、8000円ほどになります。

 

 

まとめ

 

今日は在宅酸素療法指導管理料を算定するときについて、書き留めておきました。

 

うちのような小さな医院では数多くないので、すぐに忘れちゃうから・・(^▽^;)

 

自宅での酸素吸入が必要な患者さんには、医療機器のメーカーから、酸素濃縮器や外出用酸素ボンベを家庭へ届けてもらえるのです。

 

在宅酸素療法が開始されたら、月に1回患者さんには診察してもらい管理料を算定。

PaO2もしくはSpO2の値を、選択式コメントコードでレセプトに記載します。

 

慢性心不全の病名で酸素療法が適用になった場合。

「初回の指導管理を行った月において、終夜睡眠ポリグラフィーの実施日及び無呼吸低呼吸指数を記載する」という、選択式コメントコードもあります。

 

慢性心不全のときは、初回気を付けてくださいね。

 

先生が診断された場合は、保険適用で8000円前後(1割負担)になります。

 

ではでは、忘れっぽい医療事務おばさんからでした。

おしまい(^-^)

チャンチャン♪