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内服薬が7種類以上の数え方。投薬の点数が変化するルール

この記事は約 15 分で読めます。

内服薬が7種類以上の数え方

 

医療事務のおばさん「くぅ」です。

今日も、いくつもの薬剤名をチェックしながら、電子カルテとにらめっこの一日でした(笑)

 

高齢者の患者さんになると、処方される薬剤の量も半端ないことがあります。

 

何種類の薬を飲んでおられるのか・・。

薬を飲むだけで、お腹いっぱいになりそうなぐらいです(^^;)

 

一度に、血圧・コレステロール・糖尿・骨の薬など、いくつもの内服薬が処方されています。

 

患者さんにとっては必要な薬なのでしょうが、これに風邪でも引かれたら、また薬が増えるわけです。

 

投薬には7種類以上のルールがあり、医療事務は気を付けなければなりません。

多くの薬剤になると、処方料や処方箋料が減算されるのです。

 

内服薬が7種類なのか6種類以下なのかには、特別な数え方があります。

 

本日は、内服薬の7種類以上の数え方について書いてみます。

 

 

 

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内服薬の7種類の数え方

 

処方料や処方箋料が減算されるのは、内服薬の多剤投与のときです。

 

外用薬は含みません。

もっと言うと、飲み薬でも屯服として処方された場合も、この7種類には入らないのです。

 

又、向精神薬多剤投与以外で・・ということになっています。

抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬などの処方には、別の考え方があるのです。

 

詳しくみていきますね。

 

 

7種類以上になると、いくら減算?

 

うちは院外処方なので、処方箋料。

内服薬が7種類以上になると、40点となります。

 

6種類までなら68点なので、28点の減算です。

 

おられますよ~。

高齢者の方で、40点の患者さん。

 

うちの母も、けっこうな数の薬を服用していますが、処方箋料は68点でした。

お薬、減らせたら良いのにねーとも思いますが・・(^^;)

 

もっとたくさんの薬を、毎日飲んでおられる患者さんもいます。

 

院内処方での処方料については、通常42点が7種類以上で29点・・と13点の減算。

 

院内でも院外でも、多剤投与となると算定できる点数が下がってしまうのです。

減算となる境が、7種類以上というわけ。

 

 

内服薬7種類以上の多剤投与

 

1処方の種類のカウントについて

 

では、この7種類の数え方について説明しますね。

 

普通は、薬剤名が違うなら1種類・2種類と数えていきます。

当たり前ですね(^^;)

 

ただ、単に薬剤名の違う薬の数が、6つだとか7つだとかいう考え方だけではありません。

 

まず、同じ飲み方で処方されたかどうかをみます。

 

たとえば、朝食後に1日1回服用の薬、朝・夕に2回1錠ずつ飲みましょうと処方された場合。

 

① アムロジン錠5mg 1錠  分1 朝食後
② エクア錠50mg  2錠 分2 朝・夕食後

これらの薬が14日分処方されたとします。

 

1日に1回だけ飲む薬、2回に分けて服用する薬・・と、違う飲み方で、それぞれ1種類ずつ出ているので2種類と数えますよね。

 

では、この①番の1日1回朝食後に飲む薬が、4剤処方されたとします。

もちろん、薬剤は4種類で、②と合わせて5種類です。

 

ところが、この4種類だと思っていた①番を、1種類と数えるときがあります。

 

それが薬価の計算。

同じ飲み方で出された薬価の合計が205円以下の場合は1種類として数えます。

 

安い薬だと、4種類あっても1種類になるのです。

 

薬価の計算については、こちらの記事にも書いています(^^)

投薬の点数計算でつまずくあなたへ。五捨五超入のしくみから

参考にしてみてください。

 

種類の数え方については、診療報酬点数表にも書いてあります。

 

多剤投与の場合の算定

外来の場合に限り、1処方のうち、内服薬についてのみ対象とする。
この場合の「種類」については、次のように計算する。
なお、1処方とは処方料の算定単位となる処方をいう。

(イ) 錠剤、カプセル剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。
(ロ) 散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。
(ハ) (ロ)の薬剤を混合して服薬できるよう調剤を行ったものについては、1種類とする。
(ニ) 薬剤料に掲げる所定単位当たりの薬価が 205 円以下の場合には、1種類とする。

診療報酬点数表 通知より

 

点数表はいつもややこしそう~って、思いますね(笑)

 

内服薬の7種類以上かどうかのカウントは、処方料・処方箋料にかかわってくるので覚えておきましょう。

 

(イ)の 錠剤・カプセル剤は、それぞれ1カウント。

(ロ)の散剤、顆粒剤及び液剤については、例えば・・メジコン散とPL顆粒とあれば、それぞれ1カウントずつですが、(ハ) にも書かれているように、混合したのなら1カウントです。

メジコン散をシロップの中に入れて溶かしたのも、1カウントとなります。

 

用法(飲み方)が同じ薬剤は、薬価を計算して205円を超えればば、それぞれ1カウントずつ。

 

薬は、だいたい用法ごとにまとめて処方されることが多いです。

 

用法が同じなのに、時々、処方の仕方を一つずつ書かれる先生もおられますが・・。

1. クレストール錠5mg             1錠  朝
2. エックスフォージ配合錠        1錠    朝
3. バイアスピリン錠100mg   1錠  朝

 

こんなふうに、先生が分けて書かれても、薬価の計算は用法が同じものはまとめて計算。

朝に飲む薬の合計が205円を超えれば3種類です。

 

逆に205円以下なら、3つの薬(銘柄)でも1種類と数えます。

 

あと、同一銘柄の同一剤形で規格のみが異なる薬剤が、同時に調剤された場合。

 

例えば、ノルバスク錠2.5mgと5mgというふうに、規格のみが違うときは1種類とカウントします。

 

 

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数え方の例外

 

カウントしないバージョン

 

冒頭の方にも書きましたが、患者さんが風邪を引かれていたときの投薬。

 

いつもの薬の処方箋料が68点で、風邪薬を出して7種類以上になるときは臨時処方とします。

 

そうすることによって減算されなくてすむのです。

 

臨時扱いは、7種類以上となる薬剤にカウントしません。

 

診療報酬点数表にも

『常態として投与する内服薬が7種類以上の場合に行い、臨時に投与する薬剤については対象としない。』

と書かれています。

 

 

臨時扱いとは、同じく早見表に

『連続する投与期間が2週間以内のものをいい、2週間を超える投与期間の薬剤にあっては常態として投与する薬剤として扱う。なお、投与中止期間が1週間以内の場合は、連続する投与とみなして投与期間を計算する。』

となっています。

 

定期的5種類の薬を飲んでいる患者さん。

風邪を引いて、3種類の薬が追加で処方されました。

全部で8種類。

 

院外処方のクリニックでは、風邪薬を臨時処方にして、処方箋料が68点のままとします。

内服薬が7種類以上の数え方の中で、例外ともいえますね。

 

 

カウントするバージョン

 

この他、1週間に1回・4週間に1度だけ服用する骨の薬があります。

 

これらは28日間服用するとみなして、連続する投与期間が2週間以上とするのです。

臨時薬とはならず、内服薬が7種類以上になるかどうかのカウントに含めます。

 

減算の対象になるということ。

 

ボナロン錠35mgは週に1回、ボノテオ5mgは4週に1回しか服用しない薬なのですが、毎日飲む薬剤と同じように、種類の一つとしてカウントしても良いのです。

 

実際の現場では、薬を入力すると、レセプトコンピューターや電子カルテが計算してくれます。

 

本当に便利(笑)

手書きでレセプトを作成したり、医療事務の資格取得の勉強では、薬価まで計算しなくてはいけないですから・・。

 

多剤投与の問題が出てきたら、そりゃもう大変(^▽^;)

 

処方料や処方箋料が変わってくるので、内服薬が7種類以上になるかは把握しておかなくてはなりません。

 

ちなみに薬剤料の方も、7種類以上の処方で100分の90に相当する点数による算定となっています。

 

投薬に関する値段も安くなるのですね~。

 

資格を取るためには、投薬時の薬価の計算・薬剤の種類の数え方、どちらも理解しておいてくださいね。

 

 

まとめ

 

今回は、主に院外の処方箋料について書きましたが、院内処方料も考え方は同じです。

内服薬が7種類以上で、42点が29点に。

 

私のように診療所に医療事務として勤務すると、だいたい先生がいつも処方される薬がわかってきます。

 

けど、さすがに点数までは覚えてません(;^_^A

そうなのです。

点数は暗記していなくても大丈夫。

 

患者さんの薬がちょっと多いな~と思ったときは、7種類以上になるのかもしれないという目で考えます。

 

薬剤の計算は、現場では電子カルテがやってくれるので有り難い・・(笑)

 

処方箋料が減算になったということは、内服薬が7種類以上だったということ。

 

1銘柄1種類という数え方を基本に、どのようなときに1種類とカウントするのか考えましょう。

 

どうして、処方箋料が68点が40点に減算されたのか、医療事務なら答えられるようにしておいてください。

 

ただコンピューター入力をしているだけではなく、なぜそうなっているのかを理解して、仕事をして欲しいな~と思っています。

頑張りましょう(*´▽`*)

 

 

 

《追記》 2022.5.19

2年に一度ある診療報酬点数改定。

今年2022年もその年です。

 

薬に関しても、薬価改正があり薬剤の値段も変わります。

 

で、改定のあった4月には院外処方の処方箋料で、あれ?と思うことが出てくるのです。

改定前の3月と内服薬の内容は全く変わっていないのに・・。

 

処方箋料40点だったところが68点になるという現象があります。

 

7種類以上でいつも多くの薬を持って帰る患者さん。

薬価が下がったことにより、用法が同じで205円を超えていたものが205円以下になる場合があるのですね~。

 

本文中の例のように

1.  クレストール錠5mg    1錠
エックスフォージ配合錠   1錠
バイアスピリン錠100mg 1錠  朝食後

たとえば、薬価が下がっていると・・。

 

この合計が3月では205円を超えて3種類とカウントされたものが、4月には205円以下となり1種類になります。(実際の薬価では計算していません・・ご了承ください(;^_^A)

 

他にも内服薬が4種類あったとします。

3月までは合計7種類で処方箋料40点だったものが、4月から5種類で68点になるということがあるわけです。

 

同じ薬剤ですよ。

 

診療報酬点数改定・薬価改正があったときは、内服薬の種類・薬価によって同じ処方でも処方箋料の点数が変わります。

 

電子カルテやレセコンが計算してくれますが、なんで?なぜ?と思われたあなた・・。

理由はこういうことなのです(*^^)v

 

薬価が下がっているのですよ~。

7種類の数え方を思い出してみましょう。

 

念のため、追記してみました。