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5月に入ると、令和2年の診療報酬改定があった点数やルールでの請求になります。
4月分のレセプト請求業務が始まるからです。
何かと変更があったところをチェックしていかなくてはなりません。
私が勤務するような小さなクリニックでは、今回はそんなに大きな点数の変化はない印象でした。
診療報酬点数はレセプトコンピューターや電子カルテなら、もう4月1日から早々に変更になっていて、特に暗記が必要というわけでもありません。
もちろん、どの項目に点数の変化があったのかは意識しながら、なるべく覚えるようにはしています。
まぁ、全て覚えなくても良いんですけど・・(^^;)
ただ、今回は診療報酬点数の改定以外に、レセプトにコメントが必要だという件で、気になることがあったので、備忘録がてら記事にしておきます。
本日は、令和2年度からの『診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等(医科)』について。
医療機関によって必要な項目などが違ってきますが、独断と偏見で(笑)
小さな医院で必要そうな項目を2、3取り上げていこうと思います。
レセプトにコメントが必要なんて、なんだか面倒くさそう
レセプトにコメントが必要なのは、「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」
(平成30年厚生労働省告示第43号)等が公布され、変更となっていました。
平成30年4月1日より適用されると・・。
平成30年の診療報酬改定に伴い、記載要領通知の内容が見直されたのです。
診療報酬請求書等の記載要領等については、以前から細かい決まりがあります。
元々は、手書きの請求書を前提としていたレセプトの記載要領が説明されていました。
それが、平成30年から電子請求を前提としたものに変更されたというわけです。
レセプトの記載方法なんて、あんまり意識していませんでしたが・・(^▽^;)
明細書の記載要領には、真っ白なレセプト用紙に何をどこに書いていったら良いのか、最初からの記入方法が書いてあります。
これ、医療事務をめざす人が、初めて手書きでレセプトを作成するときって、必要な内容なのですよね~~。
レセプトには、名称・回数・点数が書かれていて、それ以外にも、コメントなど摘要欄に記載する事項があるのです。
今となっては、レセプトはレセプトコンピューターや電子カルテがサクッと作ってくれますが・・(笑)
摘要欄への記入がある場合は、コメントとして入力することが必要でした。
フリーテキストで入力するのですね~。
記載についての詳しい変更については、医師会の方から2年に1度の改定のときに送付されてきます。
診療報酬点数表はよく見ることがあっても、この『明細書の記載要領』という冊子はあまり開いたこともありません( ̄▽ ̄;)
でも、今回はレセプトにコメントが必要な件で、コード入力・記載が必要な項目が大幅に増えたのです。
2年前の変更点では・・
診療報酬点数の変更は気をつけるよう意識はしますが、摘要欄についてはそこまで重きを置いていませんでした(^^;)
平成30年の診療報酬改定に伴い、レセプト摘要欄の記載要領が変更されたときのこと。
よく思い出してみると・・。
電子請求を行っている場合、別表の「レセプト電算処理システム用コード」が記載された項目については、該当するコードを選択するということでした。
別表に記載されている数多くの項目は、
・コード選択が必須なもの
・条件によってコード選択を行うもの
・コード選択は行わず、従来通りフリーテキストで入力するもの
この3種類の方法にわかれて入力することとなっていました。
別表で示された項目については、これ、けっこうな数がありましたよ~(^▽^;)
まぁ、うちの医院で気を付ける項目は少なかったですけど・・。
特に目のついたところと言えば・・。
特定薬剤治療管理料の項目。
ジギタリス製剤を使っている患者さんが採血をされたときに、2年前からコードを選択して入力しています。
これだけでした(笑)
あくまでも、うちの医院の話し・・。
なので、余計に「レセプト摘要欄の記載方法が変更」といわれても、ピン!ときていなかったわけ(^^;)
いやいや、2年前から、正式にレセプト電算処理システム用コードを選択するということが義務化されています(ノ´∀`*) アハハ
令和2年、レセプト摘要欄の記載方法について
今回、該当コードを選択するという件は、私にとって診療報酬点数改定よりも大きな出来事となっています。
今回の令和2年は、前回以上にうちでも、もう少し気を付けなければならない感じなのです。
小さなクリニックでも、結構チェックしておかなければならないところがありました。
必須の時期は10月からとなっています。
4月から9月の間で、間違いなくコード記入できるようにしなければなりません。
この間は、猶予期間。
レセプト返戻などはないということになっています。
医療機関によって該当する項目は違うと思いますが、9月までには調べておいた方が良いでしょう。
今年から、どんな項目がコードを選択しなければならないのか2、3挙げてみます。
・「初診」「再診」
A000 初診料
A001 再診料
ここでは、同じ日に同一患者さんが2つ目の診療科目を受診された場合。
2つ目の診療科の診療科名を記載することになっています。
大きな病院でなくても、2人の先生で違う科を診療されている場合もありますよね。
別にもう一人、保険医がいるということです。
この2科目の診察には、診療科名を記載するコード入力が必要となります。
・「検査・病理」
D215 超音波検査「2 断層撮影法(心エコーを除く)」の「ロ その他の場合」の「1 胸腹部」
ア 消化器領域
イ 腎・泌尿器領域
ウ 女性生殖器領域
エ 血管領域(大動脈・大静脈等)
オ 腹腔内・胸腔内の貯留物等
カ その他(具体的な臓器又は領域を記載する)
この検査を算定する医療機関は、検査を行った領域を「ア~カ」から選択して記載しなければなりません。
複数領域の検査を行った場合は、その全てを記載となっています。
ちなみに、エの血管領域(大動脈・大静脈等)は、なぜかしら(?_?)7月からしか使えないコードです。
先日、婦人科で超音波検査を受けたのですが、会計でもらった診療明細書にも表示されていました。
4月から、もう早速にコード入力されていたのですね。
レセプトだけではなく、領収書と一緒にもらう診療明細書にもきちんと記載されるみたい。
他にも、検査に関しては・・。
算定回数が複数月に1回又は年1回のみとされている検査を実施した場合はチェックです。
今までも、前回の実施日(初回の場合は初回である旨)を記載することとされていましたが、これが、ほとんどコードで設定されています。
前立腺特異抗原(PSA)や抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体などは、確定診断がつかず2回算定したとき。
忘れずに、選択式コードを入力しましょう。
あと、アルブミン定量(尿)・骨塩定量検査など、初回であることや前回の実施日の入力が必要です。
骨塩定量検査に関しては、うちも今まで、初回なのか前回にもやったことがあるのか、きちんと実施日は記載されていました。
当たり前のように・・。
ですが、令和2年からは、設定されたコードによる実施日が必要だということです。
スタッフ一同「なんでや~~(`ヘ´)」って感じ。
今までもちゃんと記載していたのにね~。
・「画像診断」
E001 写真診断「1 単純撮影」
『撮影部位を選択して記載する。選択する撮影部位がない場合はその他を選択し、具体的部位を記載する。なお、四肢については、左・右・両側の別を記載する。』
うちの医院では、今までも元々、撮影部位は記載されてはいたのですが、令和2年からは決められたコードで入力しなくてはなりません。
四肢については左・右・両側の別を記載するなど、コメントが追加されていることもあります。
・「投薬」
F000 処方料
F001 処方箋料
うちは院外の投薬なので、処方箋料となります。
この処方箋料に関しては68点となり、薬剤名はレセプトにはあがってきません。
それなのに、何やら変更点がありそうなのです。
今までは、特に薬剤に対してレセプトの摘要欄の記載なんて求められませんでした。
だって、院外処方の場合、そもそも薬剤名は表示の必要がないですもんね。
ところが、10月からは院外処方であっても、電子レセプト側にレセプト表示文言が要るとのこと。
レセプト自体の画面では載ってこないのですが・・。
電子レセプト側用に、レセプト電算処理システム用コードの記録をしなければならないのです。
入力の仕方は、それぞれのレセプトコンピューターや電子カルテのメーカーから教わることになるでしょう。
院外処方でも、処方された薬剤名に対して、該当するコードを選択することが義務化されます。
現在、うちも少しずつコード入力ができるように調整中(^^;)
今回追加されたコードは、令和2年10月診療分(11月請求分)から必須なので・・。
簡単に書いてみると、
・臨時の投与の開始日を記載する
・複数の診療科を標榜する保険医療機関において、2以上の診療科で異なる医師が処方した場合は その旨を記載する
・隔日、漸増・減等で投与する場合はその旨を記載する
・ビタミン剤が投与された趣旨
・処方された湿布薬の1日容量または投与日数
などなど、追加されたコードは多々ありそう。
・「在宅医療」
C107-2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料
C165 在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算
C171-2 在宅持続陽圧呼吸療法材料加算
睡眠時無呼吸症候群で在宅持続陽圧呼吸療法管理料を算定しているところは、要チェックです。
私も、今回の改定でのCPAPに関するレセプトコメントは、ノーマークでした(;^_^A
なぜなら、今までも充分にコメント入力していたからです。
2020年10月からの違いは、電算コード入力でコメント記載しなくはいけないこと。
電算コードはレセプト上には表記されませんが、紐づいていないと返戻になるのです。
詳しくは、こちらの記事で書きました。
『在宅持続陽圧呼吸療法管理料のコメント。無呼吸症候群の算定』
ご参考に・・(*^^)v
・「処置」
処置に関しても、一つ例を挙げておきます。
J001 熱傷処置
1 100平方センチメートル未満 135点
2 100平方センチメートル以上500平方センチメートル未満 147点
3 500平方センチメートル以上3,000平方センチメートル未満 270点
4 3,000平方センチメートル以上6,000平方センチメートル未満 504点
5 6,000平方センチメートル以上 1,500点
熱傷処置では、注意として初回の処置を行った日から起算して2月を経過するまでに行われた場合に限り算定とあります。
なので、初回処置日を記載することとなっています。
今回のレセプトのコメント欄をチェックする際にも、電算コードが必要です。
選択式コードで、初回の年月日を使用することは忘れないようにしましょう。
まとめ
レセプトにコメントが必要?というこの話し。
なにやらややこしそうで、面倒くさそうな感じです。
今日は、院外処方の小さい医院に関係がありそうなコードについて少し取り上げてみました。
摘要欄にコメントを記載するということが、レセプト電算処理システムコードと紐づいていないといけないのですね。
記載要領通知の内容は、平成30年診療報酬改定に伴って内容が見直されていました。
手書き請求を前提としていたレセプトの記載要領が、電子請求を前提としたものに変更されたということ。
摘要欄の記載は、該当するコードを選択するという形に変更されています。
令和2年からの変更も、10月分から義務化。
オンライン請求や電子媒体での提出している医療機関では、コード記録を追加しなくてはなりません。
コメントを長々と入力するというわけではありませんが、コードを忘れずに入力しなくてはならないようです。
また、『書面による請求を行う場合においては、名称について、別表Ⅱ「診療行為名称等の略号一覧(医科)」に示す略号を使用して差し支えない。』となっています。
レセプトコンピューターや電子カルテのメーカーが、それなりに対応してくれるでしょうが、入力方法・記載漏れや間違いがないかなど医療事務に負担がかかるかも・・
(;´д`)
義務化なので、医療事務は忘れず摘要欄をチェックです。
明細書の記載要領については、大きな病院ともなると、かなりのチェックが必要になるかもしれませんね。
今日のレセプトにコメントが必要という件。
医療事務の勉強を始めたばかりのあなたには、少々難しかったかもしれませんね。
医療機関で働くようになった暁には、「明細書の記載要領」というものがあること、摘要欄のコメントについて、こんな話しがあったな~と思い出してください。
現役の医療事務さん、もしご指摘あれば教えてくださいませ。
この記事が、何か参考になることがあれば嬉しいです。
私自身の備忘録でした(^^)
この間、電子カルテのメーカーからの連絡がありました。
記載コードの入力が、もっと簡単にできるとのこと。
ぶっちゃけ、今回の入力方法はややこしくて納得いってませんでした。
もっとコンピューター側の方で、簡単に入力できるのではないかと、スタッフ全員で言っていたのです。
知り合いのクリニックのレセプトコンピューターの入力は、そんなに難しいことでもないと言っていましたが・・。
うちの電子カルテは、ちょっと面倒くさい感じ。
案の上、クライアントから同じような意見があったのでしょう。
メーカー側も今回は試行錯誤しているようですが、近々、入力方法に変更があるようです。
せっかく、この何ヶ月かの間で、入力の仕方に慣れてきたのに・・(一一”)
変更だなんて・・。
まぁ、簡単になるなら良いですが、10月からやなんてギリギリやん!ほんまにぃ~~。
コンピューターの種類にもよるのでしょうが、今年の診療報酬点数改定では、点数変更よりも厄介です(;´д`)
この記事を書いた当初は、10月からということだったので、まさかレセプト返戻はないだろうと思っていました。
ところが・・Σ(・ω・ノ)ノ!
先日、7月分のレセプトが戻ってきたのです。
腹部超音波の検査領域のコード。
入力忘れのミスで、1件のレセプトが返戻となっていました。
「これって、10月からではなかったん??」と、ちょっとびっくりしています。
「猶予あるんとちゃうんかい!」って感じ(笑)
早々から準備している診療所は良いですが、10月からきっちりやれば・・なんて思っていたら、全部返戻になっていたのかと思うとゾッとします(;^_^A
10月に入り、うちの医院では、レセプト電算処理システム用コードの記録に対する入力方法が簡単になりました。
電子カルテのメーカーさんにしてみれば、移行期間に対処したということになるのでしょう。
けど、現場の医療事務は大変だった~(一一”)
うちの医院、いやいや私だけかも・・(汗)
レセプトの摘要欄にコメントが必要という件に関しては、なんとなく振り回されたという感じ(^^;)
これなら、早々から入力練習という形などせず、10月からの対応で良かったのかも・・。
あ~~、それはそれで、以前レセプト返戻があったので、摘要欄のコメントは必要だったのよね~┐(´д`)┌ヤレヤレ
摘要欄にコメントを記載するということが、レセプト電算処理システムコードと紐づいていなくてはいけない!
これ、11月提出のレセプトからです。
医療事務のあなたは、お忘れなく!!
令和3年になりました。
まだまだ新型コロナウイルス感染は拡大しています。
医療機関で働く医療事務もいろいろ大変でしょうが、感染予防をしながら頑張っていきましょうね。
ところで、レセプトにコメントが必要という件も慣れてきた頃でしょう。
令和2年10月から必須だったので、そろそろ返戻があったなんてことはありませんか。
実は、うちも2・3記載漏れがありました(;^_^A
気を付けてはいるのですが、気を抜くと返戻となります。
わかってはいるのですが・・。
・糖尿病の血糖自己測定加算の回数や熱傷処置の初回年月日が選択式コードになっていない
・超音波検査の領域のコード漏れ
レセプトの見た目では、回数や年月日が記載されているように見えても、選択式コード(電算コード)でなくてはならないのです。
恥ずかしながら、まだ完璧にはできていません(^^;)
気を付けなくてはいけませんね~。
2年に1度の診療報酬点数改定。
令和4年4月から適用のレセプトコメントもあります。
あなたの勤務先の点数項目に関係のあるレセプトの摘要欄のコメントをチェックしておきましょう。
こちらで新しい記事も書いています。
*「レセプトの摘要欄のコメント。令和4年度からも記載追加あり」
よろしければ、ご覧くださいませ(*^^)v