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医療事務歴20年の「くぅ」です(*^^*)
あなたは『御侍史』や『御机下』って言葉を聞いたことがありますか?
医療現場ではよく目にする漢字です。
勤め始めたばかりの頃の私は、いったい何て読むのだろう?っと思っていました。
医療事務として働いていなかったら、見ることすらなかったかもしれないと感じています。
Σ(- -ノ)ノ エェ!?
見たことあるって?
私は、けっきょく年だけ取ってる無知なオバサン・・(笑)
世間知らず?
いや~、医療事務じゃなかったら、きっと知らないまま過ごしていたでしょう(^▽^;)アハハ
実際、この御侍史や御机下という文字、医療現場では頻繁に出てきます。
病院へ行って、他院への紹介状をもらった経験のあるあなたは見たことがあるかもしれませんね。
医療事務に興味のあるあなたや医療機関で働きたいと思っている方にとって、御侍史や御机下について知っておくことは、ちょっとした知識にもなります。
ということで、本日は私のように
・『御侍史』や『御机下』っていったい何?
・何て読むの?
・どんな違いがあるの?
と思われているあなたへ。
こんな字、見たこともないと思っていた私のようなあなたのために、わかりやすく書いてみます。
御侍史や御机下は医療業界の言葉
医療事務になりたい!と、もうすでに勉強を始めておられるあなたは、医療用語や傷病名って難しい漢字が多いなぁ~と思っていませんか?
医療事務に興味を持っているあなたにとっても、聞きなれない用語が多くありそうで、ちょっと不安・・と思っておられるかもしれません。
私も、医療事務の学習を通信講座で始めたばかりの頃はそうでした。
今でも体の部位や病名の漢字が書けなかったり読めなかったりありますよ(/ω\)
そんなの、医師でもないのですから全部知っていなくても大丈夫。
って、こんなに言い切っても良いのかな・・(^▽^;)
良いです、いいです。
傷病名などは勤め先の診療科によっても違うので、日々、仕事をしながら覚えていけば良いですから。
医療事務なら知っておいた方がよい知識
でも、この『御侍史』や『御机下』という言葉は、診療科には関係なく医療事務として使うことが多い言葉。
紹介状を作成するときには必須の知識です。
20年前に医療事務として勤め始めた頃は、まず読み方も分かりませんでした。
先生の事務的な作業補助をされているベテランさんが書いておられたので、まるで他人事。
尊敬の念をあらわす敬語・敬称なのだろうという感じだけはしていましたが、あえて突っ込むこともしないままでした。
うちの医院で使用していた『御侍史』、心の中では『ごたいし』って読むのかな?と思っていた程度。
そんな時、勤めて5年以上になった頃、私が先生の作業補助にあたるポジションに異動となったのです。
よそごとではなくなってしまいました(笑)
そもそも『御侍史』や『御机下』は、医療機関の間で使う診療情報提供書(紹介状)の宛名に書く脇付け。
脇付けといえば、企業宛てに手紙を送る時によく見る「御中」というのがありますよね。
これ「おんちゅう」と読みます。
ご存知でしたよね?(^▽^;)
脇付けとは、手紙の宛先に添えて敬意や注意を表すために使用する言葉です。
医療業界では、この脇付けに『御侍史』や『御机下』を使います。
・御侍史
うちの医院では「ごじし」と読んでいますが「おんじし」でもOK。
『御机下』より、こちらを使用しています。
『侍史』とは、従者・お付きの人・書記にあたる方、医療事務でいうと秘書や作業補助をしている事務員といったところでしょう。
自分のようなものが、先生に直接お渡しするのはおそれ多い・めっそうもないので、おそばにいらっしゃる侍史を通してお渡ししますという意味あいです。
『御』という文字を省いて『侍史』と書かれる場合もあります。
『侍史』だけで尊敬の念は表せているので、『御』は書かなくても良いということらしいのです。
けど、私は仕事を引き継いだ時から、先輩が書かれていたように『御侍史』を使用。
これに関しては賛否両論ありますが、勤務先に合わしておいた方が良いと思います。
そして、新人の医療事務がよく間違うこととして、漢字なのですが『侍史』を『待史』と書いてしまうこと。
私も最初は「たいし」だと思って読んでいましたし(^^;)
漢字をよく見ると『待つ』「まつ」という字ではなく、さむらい『侍』という漢字です。
「ぎょうにんべん」ではなく「にんべん」。
時々、他院からの紹介状に「御待史」と書いてある手紙を見つけたりしますが、勘違いしているなぁ~なんて思うことがあります。
くれぐれもお間違いないように!
・御机下
「ごきか」「おんきか」と読みます。
こちらも『御』を付けるか付けないかという点では、御侍史の時と同じ。
『机下』というのは字の通り、机の下ですね~。
自分のようなものが、先生に直接お渡しするのはおそれ多い・めっそうもないので、机の下にでも置かせて下さいという感じ。
机の上に置いて頂くほどのものではありませんという意味あいです。
とはいうものの、患者さんの紹介状が、たくさんある手紙や書類の中に埋もれて見てもらえないなんてことがあったら大変!と思うのは私だけでしょうか(^^;)
まぁ、そんなことは決してありませんけど・・。
紹介状の封筒にだけ書いてあるもの?
御侍史や御机下という脇付け。
これはあくまでも、ハガキや封筒の宛名書きのときに使います。
病院の先生同士が呼び合うときに使っているのではありません(笑)
大学病院などでは、○○先生とは別に○○教授と言われたりしていますよね。
宛名には先生の名前の前に「教授」と、私は書いています。
循環器内科
教授
○○ ○○先生 御侍史
医療事務になると、封筒のあて名書きをする機会が多くあります。
御侍史や御机下の意味は把握しておいた方が良いでしょう。
うちの医院にくる紹介状でよく見かけるのは、どちらが多いかというと・・。
う~ん『侍史』『机下』半々ぐらいかな~(^^;)
このところは、どちらかというと御侍史が多く感じます。
脇付けは封筒に書くだけではなく、診療情報提供書つまり紹介状の本書、先生が書かれるときにも同じように使われています。
医療業界の慣習的なルール。
マナーともいえそうですね。
一説によると、『侍史』が目上の人、『机下』が一般・同輩・格下と考えられることもあるようです。
紹介先の先生と自院の先生の立場がどうなの?なんて計り知れないので、うちでは引き継いだ先輩からの教えで、今でも『御侍史』と書いています。
まぁ、御侍史や御机下が付いていないから・・といって、特に失礼だ!なんて思ったりもしないのではないでしょうか。
呼び捨てではなく、○○先生と書かれてあるのですから・・。
昔ながらの独特な表現を使いたがらない先生もおられます。
病院以外の先生には?
医療機関にはさまざまな知らないルールや言葉があるのですね~。
病院で働くようになったら、
・大病院への紹介なら御侍史で、クリニックなら御机下
・特定の先生への紹介状ではなく、担当医先生なら御侍史は使わない
・今どきの若い先生は使いたがらない
など、いろいろあったりしますが、そこは勤務先のルールに従っていくのが無難でしょう。
医療事務として働き始めると、診療情報提供書(紹介状)を見る機会も増え、実際に宛名を書くこともあります。
○○会 ○○病院
△△科
部長 □□ □□先生 御侍史
こんな感じ。
うちでは、縦書きの封筒に書きます。
医療業界独特のマナーともいわれる『御侍史』や『御机下』。
医療機関同士の紹介状のやり取りの際には、必須の礼儀とも云えそうです。
ですが、教育現場であったり弁護士であったり、他にも「先生」と言われている人達がいますよね~。
これらに関しては、医療業界のように御侍史や御机下は使わないでしょう。
学校の先生などへのあて名書きは、同じ先生でも「○○先生」です。
御机下や御机下なんて、見たこともなかったし・・(笑)
御侍史や御机下を使う場面は、病院の先生同士のやり取りの際だけ。
例えば、私が先生にお手紙を書くとしたら○○先生ですもんね(^^;)
看護師や事務員宛てにもありません。
「看護師長」とか「事務長」と書く場合はあるかもしれませんが・・。
大学や研究所の先生では「教授」「准教授」だけで、ここでも御侍史や御机下は使わないと思いますよ。
医療業界の脇付け。
病院の先生同士が、封書を作成するときのやり取りだと覚えて差し障りないでしょう。
まとめ
御侍史と御机下の違い・読み方は、医療事務になったら知っておいた方が良いことです。
『御侍史』や『御机下』という敬称は、医療業界独特の慣習というか、マナーみたいなものになっています。
医療機関だけでしか使ってはいけないなんてことはないのでしょうが、他でこのような敬称を見かけたことないですよね(^^;)
『御侍史』『御机下』も、格上の方に尊敬の念を持つ、強い謙遜の表れで使用されています。
『御』を付けると二重で敬語になると思われる医療機関もあるようなので、そこはケースバイケース。
病院の慣例に従った方が良いと思うので、先輩に尋ねてみましょう。
『御侍史』 → おんじし・ごじし
『御机下』 → おんきか・ごきか
読み方も覚えておいて下さいね。
漢字も間違えないようにしましょう。
本日は医療事務を目指すあなたにとって、知っていて損はない知識かもしれないと思い、まとめてみました。
ご参考まで・・(*^^)v