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ハイッ!ハイッ!ハイ。
医療事務員のくぅです!(^^)!
入院設備を持たない小さな医院で働いています。
小さい医院では、医師が一人でいくつかの科を標榜しているというのが少なくありません。
例えば「内科・循環器科」とか「内科・消化器内科」という感じ。
街のクリニックの看板を見るとよくわかるのではないでしょうか。
けっこうありますよね。
大きな病院などの総合病院では複数科あり、それぞれの科に専任の医師がいます。
でも、個人の開業医クラスの医院では、1人の先生が診察されていることが多いわけです。
大学病院なんかは、内科だけでも総合内科・消化器内科・循環器内科など。
外科にしたって、消化器外科から整形外科・循環器外科・形成外科というふうにさまざまな科があります。
それぞれの科にも受付窓口があって、数名の専門の医師が診察。
小さな医院では受付が一つで、患者さんはだいたい症状に合わせた病院を選んで来られますよね。
でも、もし小さな医院で「循環器内科・婦人科」と標榜していて、先生が二人でそれぞれ診察されていたとしたら・・。
複数科あり、科ごとに診療している場合です。
そんなときは、両方の科を受診できるのでしょうか。
私だったら、一度に診てもらえたら、そりゃ助かる~って思います。
患者さんの立場からしても、わざわざ別の病院へ行かずに済むわけですから・・。
では、複数科の受診って、そもそもできるのでしょうか?
って、実際は断らないですよね~~(^▽^;)
本日は、
・複数科の受診って可能なの?
・複数科って2科でも3科でもOKなの?
・診察代はやっぱり2倍・3倍になるよね?
このような疑問について、考えていこうと思います。
実は、私も医療事務の資格を取った当初には知らなかったのです(/ω\)
では、いってみましょう。
複数科の受診で知っておくこと
まだまだ、新人だった20年前の私は、一人の先生が診療する小さな医院に勤め始めたばかりで、複数科を受診するなんて考えたこともありませんでした。
もうずいぶん昔のことなので、その頃、複数科の受診の診療点数がどうだったのかさえ忘れています(^^;)
まさか患者さんが、希望された複数科の受診を断られた~なんてことはなかったと思いますが・・。
医療機関の診察代は、診療行為が点数化されていて決まります。
日本全国、どこでも同じです。
そのうち、どの科にも共通している部分が初診料と再診料。
どんな処置や検査をしても、初診・再診料は算定ルールに則って一定です。
どの科にかかっても点数は変わりません。
ですが、複数科を受診した患者さんからは、この初診・再診料が取れなかったようです。
2科・3科の複数受診の患者さんが来院されたら・・
診療行為に対する点数は、2年ごとに改定されます。
昔は、複数科を受診された患者さんには、初診・再診料は算定できなかったのですね~。
たとえば、総合病院の整形外科に通院していた患者さんが、耳が痛くて耳鼻咽喉科にかかりたいと申し出たとします。
受付が「すみません。当院は、同じ日に一つの科しか受診できないのです。明日に来てもらえますか?」
なんてこと、あったとかなかったとか・・(笑)
いや、ひょっとしたら、昔はあり得たかもしれません。
なぜなら、同日に複数科を受診しても診察代がもらえなかったからです。
受診した全部の科で、診療点数が算定できたわけではなかったみたい・・(^^;)
もちろん、先生の診療行為に対してはそれぞれ計算できます。
たとえば、レントゲンを撮ったとか採血したとかですね~。
ですが、初診・再診料は1回しか算定できなかったというわけ。
それもよく考えてみれば、患者さんからしたら同じ病院なのだから・・ということですよね。
その一つの医療機関に初めて受診して、1科目も2科目も初診ってちょっと腑に落ちない気分になるかも・・。
だって、複数科にかかっても一つの病院に行って、診察してもらったと考えますもんね。
そんなの病院が勝手に、診療科を分けてるだけでしょって。
医療機関からしてみれば、複数科の受診は経営上、損だった・厳しかったということでしょう。
なので、明日また来て下さいという話しも分からなくもないです。
昔のことなので、憶測にはなりますが・・。
複数科の受診が可能であったかどうかは、医療機関によっては微妙だったのはないでしょうか(^▽^;)
現在では、2科・3科の受診はどうなっているの?
たしかに病院側からみれば、複数科の受診で初診・再診料の算定ができないとなると・・。
グチの一つも出るかも。(あ~、そんな低レベルは話しではないでしょうけど)
2年ごとの診療報酬点数の改定で、平成18年に、複数科の初診料は半分の点数が算定できるようになっています。
複数科といっても、2科目だけです。
3科目以降は取れません。
再診料に関しては、平成24年から、同日に複数科の受診の際は2分の1の点数となっています。
初診料は282点の半分の141点。
再診料は72点の2分の1で36点です。
算定できるのは、同日の複数科受診、2科目まで。
診療点数早見表にも
・初診料
『同一保険医療機関において、同一日に他の傷病について、新たに別の診療科を初診として受診した場合は、2つ目の診療科に限り141点を算定できる。』
・再診料
『同一保険医療機関において、同一日に他の傷病について、別の診療科を再診として受診した場合は、2つ目の診療科に限り、36点を算定する。』
と書いてあります。
他にも細かいルールは、注意書きにされていますが、今回は主となるものだけということで簡単に・・。
患者さんにしてみれば、1科目282点・2科目も282点、2倍の564点にはならないので、診察代が倍増するわけではありません。
3科目に関しては、初診・再診料はかからないということです。
診療点数と診察代については
『診療報酬1点がいくら?病院の領収証がわかるようになるコツ』
こちらの記事で、詳しく書いています。
まとめ
いかがでしたか。
なんとなくややこしい話しになってしまいましたが、同じ日に2科目も3科目も受診はできるということです。
まぁ、実際は待ち時間やら、それぞれの科の受付時間をずらさないと診察が被っちゃったりとか面倒なことがおこります。
大きな病院では、それぞれの科が時間の配分を融通してくれるなんて、なかなか難しいかもしれません。
一つの科を受診するだけでも、えらい時間かかったり、検査周りで半日かかったりすることもあります。
とても同じ日に2科目・3科目と受診できないかも・・(^▽^;)
当日、別の科の受診が必要なら、先生がきちんと段取りはつけてくれるでしょうが・・。
患者さんさえ良ければ、当然、複数科の受診はOKです。
2科目の初診・再診料だけは半分になります。
なので、単純に診療費が2倍になるというわけではありません。
小さな医院の場合も同じです。
別の科を、もう一人の先生が診察される場合は、複数科の受診。
一人の先生が標榜されている科を、全て診察されるというのは違います。
あくまでも、専門の医師がそれぞれの科で診療しているのが、複数科の受診です。
二人以上の先生がいなくてはなりません。
窓口の医療事務は、「2つ目の科は受診できないので、別の日に来て下さい」とは言えないのですね~。
快く受診の診療科にご案内しましょう。
病院の経営上からすると、複数科でもいつも通りの診療点数で算定できれば良いのに・・ということになりますが(^^;)
患者さんの立場では、一つの病院で2つ以上の診療科にかかるのなら、同じ日がお得。
私が医療事務の資格を取るために勉強していた頃には、2科目は半分の点数なんていうルールはなかったようです。
そりゃ、知らなかったはずですね(笑)
医療事務にご興味があるあなたの参考になれば幸いです(#^^#)