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ピロリ菌除菌のレセプト請求。治療の流れと明細書への記載

この記事は約 12 分で読めます。

ピロリ菌除菌のレセプトのコメント

 

最近、ちょっと胃の具合いがよろしくなくて、胃薬を服用している「くぅ」です(^▽^;)

 

患者さんから

・胃の調子が悪いのはピロリ菌にのせいですか?
・ピロリ菌を除菌してから胃の調子が良くなりました

などど、ときどきピロリ菌についての話題があがります。

 

うちでは、胃カメラ検査をしたときに必要であればピロリ菌検査をします。

 

検査方法は尿素呼気試験というもの。

陽性であれば除菌を行っていきます。

 

このとき、医療事務は検査の金額を清算するのですが、月に1回レセプト請求をしなければなりません。

 

特にピロリ菌検査をして除菌をするとなると、診療報酬明細書に記載するコメントが重要になってきます。

 

ピロリ菌の除菌が始まった患者さんについては要チェックです。

 

本日は、ヘリコバクター・ピロリ感染の診断と治療に関して、レセプトの摘要欄への記載方法に注目していきます。

 

 

 

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ピロリ菌除菌のレセプトにはコメントが必須

 

ピロリ菌検査をして陽性、除菌という治療の流れになったとき。

 

A. 内視鏡・造影検査など

B. ピロリ菌検査
↓ (+)陽性
C. 除菌

D. ピロリ菌検査
↓ (+)陽性
E. 再除菌

F. ピロリ菌検査

 

明細書への記載が必要となります。

 

ここでいう明細書というのは、診察代を清算するときに患者さんへ渡す領収書・明細書に値するものではありません。

 

この明細書は、患者さんの診療内容が書かれたもの。

詳しくはこちらの記事をお読みくださいね。

診療明細書の発行は必ずされるもの?義務化の内容について

 

今回の明細書は、レセプト(診療報酬明細書)の方です。

 

ピロリ菌検査をして陽性、その後除菌をしていくことになった患者さんのレセプトにコメントが必要となります。

 

 

診療報酬明細書への記載は摘要欄へ

 

内視鏡検査や造影検査をして、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃炎などの症状がありピロリ菌の検査をした時点で、もう気を付けなければなりません。

 

ピロリ菌検査の対象となる人は、復習すると・・。

 

1.内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
2.胃MALTリンパ腫の患者
3.特発性血小板減少性紫斑病の患者
4.早期胃癌の内視鏡的治療後の患者
5.内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者

ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いより

 

このような患者さんでないと保険が通りません。

 

ではではレセプトについて、いつどのタイミングでコメントを記載するのでしょうか。

 

 

1と5の患者さんの場合

 

ここで、1と5の患者さんは内視鏡検査や造影検査をしていますよね。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃炎の症状がみつかり、ヘリコバクター・ピロリ感染も疑われました。

 

そのときには、レセプトの摘要欄にコメントが必要となっています。

 

レセプトのコメントには「内視鏡検査等で確定診断した際の所見・結果をレセプトの摘要欄に記載すること」と決まっているからです。

 

明細書への記載というルールなのですが、令和2年10月から必須となっている選択式のコメントコードではありません。

お気を付けくださいよ~。

 

選択式コメントコードについては

レセプトにコメントが必要?令和2年10月分から義務化の件

こちらの記事でどうぞ。

 

 

今回は、レセプトの摘要欄にフリーコメントで入力する記載事項です。

 

コンピューター側のシステムベンダーより、何らかの入力方法が別に設定されているかもしれません。

勤務先のレセコンや電子カルテによって入力方法が違うこともあります。

 

どんな方法であっても、レセプトにコメントは必要ですからね。

 

 

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あ~、今回は入力方法は横においてといて(笑)、レセプトへの記載について続けていきます。

 

レセプトの摘要欄には、内視鏡検査等で確定診断した所見と結果が必要です。

だから、ヘリコバクター・ピロリ感染を疑ってピロリ菌の検査をしたのですよ~という流れになります。

 

ただ『傷病名(病名)から、胃潰瘍・十二指腸潰瘍または胃炎と判断できる場合には、確定診断した内視鏡検査または造影検査(胃炎を除く)の実施日を記載すればよい』という事務連絡も入っています。

 

・胃潰瘍や十二指腸潰瘍と確定診断した内視鏡や造影剤検査の実施日
・胃炎と確定診断のあった内視鏡検査の実施日

 

長ったらしい(笑)所見や結果をコメントするより、実施日で良いなら簡単ですよね。

忘れないようにしましょう。

 

あと、もう一つ。

ピロリ菌の検査をした医療機関で内視鏡検査や造影剤の検査をしていない場合。

 

その医療機関で胃カメラ等の検査をせず、健康診断など他院で内視鏡検査を行っている場合は、レセプトにその旨を記載します。

 

たとえば「〇月○日、会社健診の内視鏡検査の結果にて萎縮性胃炎あり。ピロリ菌感染症疑いのため精査」みたいな感じです。

 

ピロリ菌の検査をするときは、こんなふうにコメントを入れなければなりません。

 

その後、感染診断によりヘリコバクター・ピロリが陽性だったときには除菌に入ります。

治療の流れのCの部分です。

 

3剤の薬を朝晩2回1週間服用。

 

 

除菌後、ピロリ菌検査をしたとき

 

7日間の除菌治療が終了後、4週経過してからもう一度ヘリコバクター・ピロリが陰性になったかを検査することになります。

 

コメントを入れるのは、薬を全部飲んで除菌した後に感染診断を実施するときです。

 

そう、除菌後にこのピロリ菌検査をしたときに、除菌終了年月日を記載します。

 

うちでは、特別な事情がない限り処方した次の日から飲み始めてもらうようにしているので、そこから最終日をカウント。

 

患者さんに除菌薬をいつからいつまで服用されたか聞くのも手です。

 

除菌をした日ではなく、薬を最後に飲んだ日。

飲み終えた日付となっています。

お間違いなく・・。

 

このピロリ菌検査で陰性になれば、ここで終了です。

 

でも、まだきっちりとピロリ菌を退治できていない場合。

 

再チャレンジ、もう一度除菌の薬を処方できます。

Eの部分。

 

1回目とは少し違う薬で、二次除菌療法が認められているからです。

二次除菌のあと、またピロリ菌検査をしたときにも除菌終了年月日を記載します。

 

コメントには注意しましょう。

 

レセプトの摘要欄にコメント

 

 

ピロリ菌検査の結果で陰性のときに再検査した場合

 

ピロリ菌についての手順より、BやDの検査で結果が陰性の場合。

 

もう一度、別の検査方法で再検査ができます。

まぁ、うちでは陰性と判明したら、もう別の方法ではしませんが・・。

 

再検査を実施した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に各々の検査法と検査結果について記載しなければなりません。

 

ピロリ菌の検査方法は6種類でしたよね~。

 

① 迅速ウレアーゼ試験
② 検鏡法
③ 培養法
④ 抗体測定
⑤ 尿素呼気試験
⑥ 糞便中抗原測定

 

同時に算定できるのは

①+②
④+⑤
④+⑥
⑤+⑥

という組み合わせの検査ですが、この場合にはコメントは必要ありません。

 

ピロリ菌の検査をした結果が陰性だったときに、再度検査を実施した場合にはレセプトにコメントが要ります。

 

同時ではなく、陰性を確認した後に再度別の方法で検査したときです。

BとDの部分ですよ。

 

 

薬が処方されているとき

 

プロトンポンプ阻害薬に値する薬を飲んでいる場合。

PPIと略されますが、主な薬剤は

・ランソプラゾール
・オメプラゾール
・ラベプラゾールナトリウム
・エソプラゾールマグネシウム

といわれるようなものです。

 

これらの薬は静菌作用を有する薬で、検査での判定が偽陽性になるおそれがあるといわれています。

 

なので、ピロリ菌の検査をするときには薬剤の中止か、服用最終日から2週間以上経過していなくてはいけません。

 

そのとき、レセプトの摘要欄にはコメントの記載が要ります。

PPIの投与を中止、または終了した年月日が必要です。

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などと診断され、PPIを服用している患者さんは気を付けなくてはいけませんね。

 

ただし④の抗体検査に関しては、休薬はせずに実施しても算定OKとなっています

 

 

まとめ

 

ピロリ菌除菌の際には、いくつかレセプトにコメントが必要です。

 

ヘリコバクター・ピロリ感染の診断および治療の手順というフローチャートもあります。

 

診療点数早見表で確認もできますが、漏れがないようによく読んでくださいね。

 

レセプトの摘要欄に記載するコメントは、選択式のものではなくフリーで入力します。

 

内視鏡検査をしている医療機関で働く場合は、覚えておくと良いでしょう。

 

勤務先の検査方法や治療の流れによって、注意すべきコメントをチェックですよ。

 

頑張っていきましょう(^o^)/