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湿布の70枚制限。処方のルールやレセプトコメントについて

この記事は約 15 分で読めます。

湿布の70枚制限

 

【令和4年診療報酬点数改定により、上限が70枚→63枚になっています。】  記事中は、70枚を63枚に置きかえてお読みくださいませm(__)m

 

 

湿布をほとんど使用したことがない「くぅ」で~~すヽ(^o^)丿

 

内科では先生が湿布を処方するなんて、そんなにないと思われていませんか。

湿布は、整形外科や外科で使われるイメージですよね。

 

内科に勤務する医療事務には、湿布についてはあんまり関係ないのかも・・なんて考えがちですが、けっこうあります。

 

肩こりがひどくてとか、腰や膝が痛くて・・なんてときは、湿布を処方。

 

私は、皮膚が弱い方で湿布にはかぶれるし、そもそも肩こりや腰痛とかないのですが・・。

 

患者さんにしてみれば、症状があってもわざわざ整形外科に行くのはねぇ・・って感じなのです。

 

いつもの薬と一緒に処方してもらえれば助かりますもんね。

うちの医院でも、湿布を希望される患者さんは少なくありません。

 

 

この湿布薬については、2016年(平成28年)から処方制限がありました。

現役の医療事務さんはご存知でしょうが・・(^^;)

 

一処方につき70枚。

 

本日は、湿布は何枚処方できるのかというルールや、令和2年の改定よりレセプトの摘要欄コメントについてもみていきます。

 

 

 

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湿布の70枚制限について

 

湿布の処方枚数に制限が設けられたのは、平成28年からです。

 

入院中の患者以外の患者に対して、1処方につき70枚を超えて湿布薬を投薬した場合は、区分番号F000に掲げる調剤料、区分番号F100に掲げる処方料、区分番号F200に掲げる薬剤(当該超過分に係る薬剤料に限る。)、区分番号F400に掲げる処方箋料及び区分番号F500に掲げる調剤技術基本料は、算定しない。

診療点数早見表より

 

診療点数早見表の「投薬」の欄です。

 

 

私がよく使っている点数本については

*『診療報酬点数の早見表はどれが良い?使いやすいオススメ本

こちらの記事でも書いています。

 

 

枚数を超えると点数はどうなる?

 

私が勤める医院は、院外処方箋となっています。

湿布を70枚以上処方すると、さきほどの診療点数早見表から処方箋料(F400)が算定できなくなってしまいます。

 

これが院内処方だと、調剤料(F000)、処方料(F100)が取れません。

常時勤務する薬剤師が投薬した場合に算定できる調剤技術基本料(F500)もダメ。

 

薬剤料(F200)も、70枚を超えた分は算定できないのです。

 

うちのような院外処方箋の診療所は処方箋料だけですが、それでも診療報酬点数が0点なんてありえません。

 

なので、実際のところ湿布は70枚までの投薬となっているのが現状です。

 

これは1処方の制限なので、違う種類の湿布薬を出せば良いというものではありません。

処方された湿布剤の全部の枚数が70枚。

 

種類ごとの枚数ではありません。

1回につき1処方、どの種類であっても70枚までです。

 

ですが、但し書きがあって・・。

 

ただし、医師が疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず70枚を超えて投薬する場合には、その理由を処方箋及び診療報酬明細書に記載することで算定可能とする。

診療点数早見表より

 

こんなふうに必要性をコメントとして書いた場合は、算定可能となっています。

レセプトの摘要欄にコメントを入れるということです。

 

 

 

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院外処方箋の処方欄について

 

まぁ、うちは内科ですし・・。

先生も湿布を70枚以上も出さなければならないようなときには、一度整形外科で専門的に診ていただくように・・となり、多くの枚数は処方されません。

 

それでも湿布を全く出さないというわけではないので、新しいルールは覚えておく必要があります。

 

記憶は定かじゃないのですが、調剤薬局の薬剤師さんから処方箋の湿布についてお願いされたことがあります。

 

おそらく、その平成28年頃だったような気が・・(^^;)

 

院外処方箋には、投薬すべき医薬品名・分量・用法及び用量が印字されています。

 

分量は、内服薬の場合は1日分量、外用薬については投与総量、頓服薬は1回分量の記載が必要です。

 

用法・用量に関しては

*1回あたりの服用(使用)量
*1日あたりの服用(使用)回数及び服薬(使用)時点
*投与日数(回数)

 

もう少し細かいことはありますが、主にこれらに気を付けて、レセプトコンピューターに入力していくわけです。

 

 

で、湿布に関しては、当時の薬剤師から

*湿布を貼付する部位
*1回あたりの使用量及び1日あたりの使用回数(又は投与日数)

これを必ずお願いしますと言われました。

 

たとえば、先生の処方された湿布はこんな感じです。

 

ロキソニンテープ100mg(10cm×14cm) 28枚
1日1回1枚 腰部に貼付

 

このあたりは医院によって、入力方法は微妙に違うかもしれませんが、処方箋は用法用量には気をつけています。

 

けど、これは処方箋だけのためのことで、レセプトには薬剤名など表示されません。

 

 

湿布剤処方コメント入力

 

 

令和2年10月からの湿布処方のコメント

 

院外処方箋を発行するには、薬剤をレセプトコンピューターへ入力していきます。

あっ、電子カルテの場合、薬剤は先生が入力してくれれば良いわけですが・・。

 

院外処方箋の場合、薬剤名はレセプトには必要ないわけです。

院外処方料のみ表示されます。

 

レセプトコンピューターで入力している薬剤は、あくまで院外処方箋を発行するために打っているのです。

 

それが、今回令和2年10月からは、レセプトの摘要欄に記載が必要な事項について改定がありました。

 

新たにレセプト電算処理システム用コードが割り振られたのです。

 

特に、この湿布が投与されたときは要チェック。

 

(湿布薬を投与した場合)
所定単位当たりの薬剤名、湿布薬の枚数としての投与量を記載した上で、湿布薬の枚数としての1日用量又は投与日数を記載すること。

830100204 湿布薬の1日用量又は投与日数(薬剤等・処方箋料);******

 

別表Ⅰ 診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(医科)より

 

該当するコードを選択して入力することが必要となっています。

部位は要らないのですね~。

 

70枚制限にも関係なく、湿布が投与されるとコメントが必須。

 

薬剤名と枚数を入力します。

続けて選択式コードを入れた後、1日の用量か投与日数のどちらかを入力するのです。

 

なんだか面倒なことで、うちでは院外処方箋用とレセプトコメント用の湿布を2度入力しているようなもの。

 

摘要欄への記載のため、コード入力してレセプトに表示しなくてはならないからです。

 

本来なら、院外処方ではレセプトに薬剤名なんて表示されなかったのに・・。

令和2年10月からのレセプトには、院外処方であっても湿布剤に関しては薬剤名が摘要欄に必要なのですね~。

 

入力方法は、医療機関が使用しているコンピューターのメーカーにもよるのでしょうが・・。

 

1度で処方箋用とレセプト用に表示というわけにはいかないのか(・・?って思ったりしています。

 

 

湿布70枚制限、超過したときの理由とは?

 

アッ、もちろん湿布70枚制限についても、70枚を超えた場合には理由のコメントコードは必須。

 

こちらの記事でもレセプト摘要欄のコメントについて書いています。

レセプトにコメントが必要?令和2年10月分から義務化の件

参考にしてみてください。

 

 

(1回の処方において、70枚を超えて湿布薬を投与した場合)
当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨を記載すること。

830000052 70枚を超えて湿布薬を投与した理由;○○のため

 

別表Ⅰ 診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(医科)より

 

70枚制限があるので、1度に70枚を超えたら必ずその理由を記載しましょう。

フリーコメントではなく、選択式コードを使ってくださいよ~。

 

必要であると判断した趣旨は、もちろん医師に尋ねるのですが・・。

 

考えられることとして、体格の良い患者さんには痩せている人と同じ用量では足りないのでは?ということ。

体表面積の違い。

 

もしくは、湿布を貼る箇所が多いときです。

両肩・両膝・腰などというふうに部位が何か所にも及ぶ場合。

 

内科ではあまり考えられないかもしれませんが、1回に70枚を超過したら、貼付の範囲が広いためなどとコメントを入れていきます。

 

ちなみに「1回の処方において」と書いてあるので、70枚を一ヶ月に2回処方しても問題はないと、私は勝手に思っていますが・・。

 

ある月の1日に28日分の内服薬の処方、同月の30日に再来院されたら薬を出します。

内服薬と同じように湿布も処方すると、一ヶ月に倍の枚数になるものね~。

 

トータルで140枚。

念のため、査定されないように理由をコメントしておくのも良いのではないでしょうか。

 

 

まとめ

 

医療事務にとっては、レセプトが返戻されてきたら処理が面倒です。

 

湿布の70枚制限に関しても、超過したときは必ず必要であると判断したいう趣旨を記載しなければなりません。

先生に確認を忘れずしてくださいね。

 

超過したときのコード『830000052』にて理由の記載をします。

 

じゃないと、調剤料・処方料・処方箋料・調剤技術基本料・薬剤料などが算定できなくなりますから。

 

2020年10月、11月提出レセプトからコメントが必要という点についても覚えておきましょう。

「摘要」欄への記載事項等一覧というものがあります。

 

湿布薬を投与した場合のコードは、枚数に関係なく『830100204』でしたね~。

コード入力だけなら、まだ簡単なのですが・・。

 

このコードの******部分に湿布薬剤名・枚数、1日用量又は投与日数を記載するのです。

 

今まで記載不要だったものが、レセプト電算処理システム用コードによるコメントが必要になったというわけ。

 

この電算用コードを入力して表示したコメントが、レセプト上では大事なのです。

 

コンピューターのメーカーによって違うので、指定されたやり方で入力することになるでしょう。

 

電算用のコードがレセプトに表示されるのではなく、コメントが記載されます。

 

今後、返戻になった紙レセプトを見ても、このコードが表示されているわけではありませんからね~(笑)

 

院外処方のレセプトコメント、湿布が処方されたときは注意しましょう。

 

今日は、湿布の70枚制限と令和2年10月からのレセプトコメントについてお送りしました。

医療事務のおばさん「くぅ」でしたヽ(^o^)丿

 

 

【追記 2022.3.7】

最後にもう一度・・。

令和4年の診療報酬点数改定により、湿布の制限枚数が70枚から63枚に変更となっています。

 

 

【追記 2022.5.15】

こちらの記事もご確認お願いします。

※『湿布薬のレセプトコメント。院外処方の見直し【2022年】