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大阪で医療事務として働いています「くぅ」です(*^-^)ニコッ
月末になってくると「もうすぐレセプトだぁ~~」という声が聞こえてきそうな気もする医療現場。
うちの医院でも「そろそろ請求書の時期やぁ~。一ヶ月なんてあっという間」なんて言い始めています。
レセプトといえば、医療事務員は普通に使う言い方ですが、これから勉強しようかなと思うあなたには、まだなじみのない言葉かもしれません。
レセプトに意味を知ることは、医療事務の業務の中でとても大事です。
医療事務をめざそうかな~と考えているあなたには、ぜひ知っておいて欲しい「レセプト」。
・そもそもレセプトってどういう意味?
・レセプトって何?病院でもらうレシートの間違い?
今日は、そんな疑問をお持ちのあなたにもわかりやすく書いていきますね。
医療事務として働いてみたいと思われているあなたには必見ですよ。
レセプトとは?どんな意味?
まず、最初にこれは覚えておきましょう。
レセプトというのは『診療報酬明細書』のこと。
なんのこっちゃ分かりませんよね(^▽^;)
こんな長ったらしい名称はややこしいので(笑)、レセプトと言えばどの医療事務にもわかります。
私達スタッフの間では、略してレセ。
ではでは、この診療報酬明細書って、いったいどういうものなのでしょうか。
あなたが体調を悪くして病院を受診したとします。
診療が終わると窓口で精算、代金を支払って帰りますよね。
医療機関が診療代金を請求する相手は、もちろん患者さんです。
ですが・・。
診察にかかった費用を患者さんから全て頂いているわけではありません。
病院側は、あなたから払ってもらった代金とは別に、医療費を請求できるところがあるのです。
それが保険証に書いてある保険者の部分。
医療機関はもう一つ、あなたが毎月保険料を納めているところにも請求できるのです。
「保険証の種類」については別の記事でもお伝えしましたが、保険者とは市町村や健康保険組合などのことです。
詳しくは
『保険証の種類について。医療保障制度のしくみを知ろう!』をお読みくださいね。
わざわざ「保険証」なんていうものを持参してきてもらうのですから、患者さんにだけ請求しては申し訳ないですよね~(^▽^;)
保険者の方からも支払ってもらっちゃいましょう。
だって、誰でも皆、毎月保険料をしっかり払っているのですから・・。
このように、病院などは医療費を患者さんと保険者に請求しているのですね~~。
この保険者に請求する診療報酬明細書がレセプトだというわけ!
ちなみに、患者さんへの請求書は『領収書』とか『領収証』と書かれてあるもの。
『診療報酬明細書』も医療費を払ってもらう請求書なのですが、患者さんに渡すものとは違います。
『領収書』は、レセプトといわれる『診療報酬明細書』とは全く別物なのでお間違いなく!
実は、時々、レセプトってどんな意味?レシートのこと?なんて思っておられる方も・・。
それは違いますよ。
レセプトは、患者さんに渡すものではありません。
あくまでも、保険者(団体)に請求するものです。
病院などでは患者さんから、その都度、診察代を会計窓口で払ってもらいますが、保険者には月に一回、レセプトを作成して請求します。
もう少し突っ込んでいうと、直接保険者に請求するわけではありません。
審査をする支払機関などが間に入り、保険者から請求金額を受け取り、医療機関に診療報酬を払うしくみになっています。
このあたりは、また詳しくお話するとしますね(^^)
レセプトには何が書かれてあるの?
先ほども書きましたが、レセプトは月単位で、それぞれの患者さんに対して作成します。
一ヶ月に来院された患者さんのレセプト。
延べ人数分の枚数ではありません。
一ヶ月に数回受診されても、レセプトはひとつ。
例えば、風邪をこじらせて一ヶ月に3回診察を受けると、領収書は3枚あるはず。
でも、レセプトはひとつです。
入院と外来は別になるので、同じ月に両方あれば一人に対して2種類のレセプトとなります。
レセプトの内容を簡単に書いてみると・・。
1枚のレセプト用紙は
・上書き部分
・点数欄
・摘要欄
の3つに分けられています。
上書き部分は基礎的な項目が13個。
①診療年月
②医療機関コード
③保険種別
④本人・家族
⑤保険者番号
⑥被保険者証・被保険者手帳等の記号・番号
⑦氏名
⑧職務上の事由
⑨保険医療機関の所在地及び名称
⑩傷病名
⑪診療開始日
⑫転帰
⑬診療実日数
点数欄は、それぞれの診療行為の診療報酬点数と回数を全部記入。
診療行為の点数と薬価点数を合わせて、診療報酬点数が算定されるのです。
診療区分には投薬や検査、手術など、診療ごとに分けられています。
摘要欄には、詳しい診療内容や上書き部分の⑩傷病名が多くて書き切れなかった病名を書いたりします。
レセプトには、患者さんに対して
・どのような診断をして傷病名がついたのか
・どんな治療や検査がなされたのか
・どんな薬剤がどのくらい処方されたか
などが書かれてあります。
なんだかややこしそうで、レセプトなんて理解できないかも・・と思われましたか?
心配はいりませんよ!
今では、このレセプトを手書きするなんてことはほとんどありません。
毎日レセプトコンピューターに入力していたデーターで、一ヶ月の診療報酬明細書が作成されるからです。
20年前に資格取得勉強していた頃の手書きレセプトが本当に懐かしい~~。
1枚作り上げるのに、どれほど時間がかかったか(^^;)
まぁ、実際の現場で手書きレセプトを作成した経験はないのですが・・(笑)
ほんとレセプトコンピューターのおかげですね。
ずいぶん楽になってきています。
とはいうものの、いくらコンピューターがあるからといって、何も覚えなくて良いというわけではありません。
レセプト業務の知識や基本的な内容は理解しておくことが必要です。
最後に・・まとめ
いかがでしたか?
レセプトについて、少しはイメージできましたでしょうか。
レセプトとは診療報酬明細書のことで、医療費の一部を病院などが保険者に請求するものです。
患者さんがどんな症状でどんな治療をうけ、いくらかかったかが点数であらわされています。
医療事務員が「レセプト業務は大変」と言うのは、一ヶ月のレセプト枚数が多くて確認や点検に時間がかかるから。
請求間違いがないかのチェックは入念にします。
なぜなら、レセプト業務は医療機関の収入・経営に関わることだからです。
診療費の請求は、慎重に行わなければならない仕事だといえます。
請求を間違うと、のちのち減点がきて一銭も入らないということにもなりかねません。
医療費の請求書となるレセプト。
医療事務をめざすあなたには、まずレセプトの意味から知ってもらえたら・・と思います。