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レセプト返戻や査定ってどういうこと?医療事務の請求業務

この記事は約 15 分で読めます。

レセプト返戻と査定について

 

医療事務のおばさん「くぅ」です!

月の初めは、レセプト業務ということで忙しくされている医療機関もあると思います。

 

まぁ、コンピューターが処理してくれるので、昔ほど残業続きなんてのは少なくなってきているでしょうが・・。

 

うちでも今じゃ、レセプト業務よりコロナワクチン接種の方がバタバタしていますから。

 

でもだからといって、診療報酬の請求をしないというわけではありません。

月初には、必ず請求業務が待っています。

 

その請求がらみの中でも、他にレセプトの返戻や査定というものがあるのです。

 

レセプトを提出して診療報酬の請求をしたにもかかわらず、それが戻ってきたり減点されたりします。

ということは、医療機関の収入にはならないということ。

 

 

本日は、このレセプトの返戻・査定について書いてみます。

 

・返戻ってどんなときにあるの?
・査定って何?
・収入にならず医療機関が損をするの?

詳しくみていきましょう。

 

 

 

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レセプト返戻や査定の処理も医療事務の仕事

 

もうあなたはご存知でしょうが、レセプトとは診療報酬明細書のこと。

 

毎月、医療費のうち患者さんから支払ってもらった金額以外の費用を、支払い機関側に請求するのです。

 

 

レセプトについては

レセプト請求は月初めが当たり前?医療事務の残業は必須?

こちらの記事でも書いています。

 

 

けど、これ請求したものが全部「はい、OK!」とはいきません。

すべてすぐに、医療機関の報酬(収入)とはならないのです。

 

なぜなら、審査側から「提出されたレセプトには誤りがありますよ~」といわれ指摘されるからです。

 

それが、月に1回「返戻・査定」として報告されてきます。

これもだいたい月の初めに届くんですよね~~(>_<)

 

 

返戻と査定の違いは・・

 

ではでは、レセプトの返戻と査定の違いとは何なのでしょうか。

 

返戻はレセプト自体が戻ってくること。

1ヶ所の間違いでも、そのレセプト1枚の全点数がいったん認められず返ってきます。

 

査定は連絡票で減額・減点が通知され、一部の点数が認められないことです。

 

返戻レセプトは修正して再請求できますが、査定に関しては申し出ない限り審査通りになります。

 

両方とも、この時点では収入源にはなっていません。

返戻レセプトは訂正箇所も明らかにわかるので、月遅れの収入にはなるでしょう。

 

けど、減点された項目はミスではない・納得のいかない指摘なら再審査依頼をオススメします。

 

査定に関しては放置していると審査を受け入れたことになり、減額を認めたことになりますからね~。

 

 

審査側からの報告

 

もともと診療報酬の請求は、医療機関(請求側)が保険者(支払側)に請求するのではありません。

 

保険者に直接するのではなく、中間に審査・支払機関があるのです。

医療機関は、この機関に対して請求をするわけ。

 

レセプトの提出方法は医療機関によってさまざま。

・オンラインでシュッっと送信する
・電子媒体(FD、MOおよびCD-R)で送る
・紙媒体で提出する

 

ほとんどがオンラインや電子媒体だと思いますが・・。

 

健康保険などの医療保険では、社会保険診療報酬支払期間(支払基金)。

国民健康保険は、国民健康保険団体連合会(国保連合会)です。

 

まぁ、考えてみれば・・社会保険の数多い保険者に対して、国民保険の市町村など、いちいち一ヶ所ずつにそれぞれ請求するなんてあり得ないですよね(^^;)

 

審査を間で担当してくれる団体に提出ということで、レセプト返戻や査定もこの機関から届きます。

 

月初に封筒で送られてくるのですが、これが分厚いと冷汗が・・(;^ω^)

 

支払基金や国保連合会からの審査内容に関しては、今でも難しかったりで、ときどき電話で問い合わせすることも多いです。

 

 

返戻の流れ

 

レセプトの返戻で多いのが、保険情報が違っているときです。

 

患者さんから提示された保険証で間違いなくても、資格喪失していたり保険の変更時期を理解していないわけ。

 

医療事務でもない限り、患者さんがそこに重きをおいていないのはわかります。

 

会社を度々変わっておられたり、社会保険から国民保険・その逆への変更のタイミング。

 

患者さんから申し出がない限り、わからないこともあるのですよね~。

 

もちろん、医療事務のミスもあります。

本人・家族のチェック、割合負担の間違いなど、きっちりと確認ができていなくてコンピューターの登録が違っている場合。

 

保険情報を変更して再提出します。

 

差し戻されたレセプトには、他にも記載内容の不備や誤りなど間違いが発覚(;^_^A

 

ときどき審査側によっては、減点・減額で査定されてもおかしくない内容で返戻となっている場合もあります。

 

この場合、医療事務側のミスによるものでも、返戻だと再請求で取り戻せるのですよね~。

 

こんなときはラッキー。

審査側は優しかった~となるわけ(笑)

 

まぁ、収入源となるには月遅れにはなるのですが・・。

減点されてしまうと、事務側のミスは取り返せませんから。

 

返戻や査定に関しての異議についても、オンラインで可能です。

 

うちは、戻ってきたレセプトの再提出や査定に関する異議申請は、紙媒体でしています。

 

このときオンラインで処理する医療機関は、返戻セプトを再提出する必要はありません。

重複するので間違わないよう、気を付けましょう。

 

レセプトは戻ってきていても、オンラインか紙媒体どちらか一方でOKです。

 

私は、毎月、返戻されたレセプトを手書きで修正しています。

 

返戻については付せんがついてくるので、それもそのまま剥がさず提出しなければなりません。

一緒に付けたまま、再請求ですよ。

 

 

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査定とは?

 

返戻により戻ってきたレセプトは、修正して提出すれば請求できます。

けど、この査定に関して減額や減点といった指摘。

 

返戻は医療機関の収入に影響はなくても、査定に関してはちょっと違います。

 

時期が遅くなっても収入になる返戻とは違い、減額・減点となる査定は要チェックです。

見込んでいた収入が減るということですから・・。

 

査定の原因が、明らかにミスによるもなら諦めるしかありません。

 

 

たとえば、特定疾患処方管理加算の66点と18点を同時に算定していて減点とか。

詳しくは

特定疾患処方管理加算とは?医療事務が算定する時のポイント

こちらの記事でどうぞ。

 

 

また、特定疾患療養管理料を3回も算定していたなど。

 

関連記事はこちら。

特定疾患療養管理料はいつから?どんな場合に算定できるの?

 

 

このような当たり前のようなミスは、もちろん査定でチェックが入ります。

これは諦める以前の問題で、初歩的な間違い。

 

でも、どう考えても減額・減点される意味が分からないという場合もあります。

 

そんなときは、異議申請用紙で再審査の申し出をするのです。

「再審査・取り下げ依頼書」というものがあります。

 

納得できない査定には、異議を唱えましょう。

 

 

審査報告の書類には、支払基金と国保連合会で微妙に言い回しが違うのですが・・。

 

*支払基金

・返戻内訳書
・増減点連絡書
・再審査等支払調整額通知票(補正・査定分)
・再審査等支払調整額通知票(返戻分)
・再審査結果連絡書(原審どおり)

・突合点検結果連絡書(兼 処方せん内容不一致連絡書)
・突合点検調整額通知票(医療機関)
・突合点検調整額連絡票(医療機関)
・突合再審査結果連絡書(兼 処方せん内容不一致連絡書)
・突合点検調整額通知票(医療機関)【再審査】
・突合点検調整額連絡票(医療機関)【再審査】
・突合再審査調整額通知票(医療機関)

突合点検の帳票って、ほんとややこしくていろいろあります。

 

ちなみに、再審査結果連絡書(原審どおり)とは、異議申請したにもかかわらず受け入れられず請求は却下されたということです。

 

 

*国保連合会

・増減点返戻通知書
・過誤・再審査結果通知書

 

社会保険側の支払基金の方は、突合点検の帳票が多くありました。

ですが、国保側は増減点返戻通知書の中に「縦覧点検」「横覧点検」「突合点検」によるものなのか記号で書いてあります。

 

レセプト返戻・査定では、医療機関が提出したレセプトについて点検・審査した結果に基づいて
帳票で連絡が入ります。

 

いろいろ面倒くさい処理であるのですが、医療事務の請求業務の一環です。

 

院内には、医師会の方からもらえる『請求事務のしおり』があります。

2年に1度ある診療報酬改定の年度に配布。

 

この冊子で概要が確認できますよ。

 

 

まとめ

 

医療事務のレセプト請求業務。

毎月の医療費を診療報酬明細書として、審査側に提出し医療機関への収入を得ることです。

 

その後のレセプト返戻や査定をチェックすることも仕事。

 

記載内容の不備や誤り、保険の資格確認、診療内容について、請求内容が過剰だとか必要ないとか、さまざまな判断がくだされます。

 

返戻レセプトに関しては、その請求分が丸々収入にはなっていないのですから、再請求は忘れてはいけません。

必ず、返戻再請求しましょう。

 

返戻となったレセプトには、理由が記載された「返戻付せん」というものが添付されています。

修正・訂正したあと、付せんをつけたまま提出してくださいね。

 

査定にも納得がいかないときは、異議申し立てができます。

全額ではなく一部の減点だからとほったらかしにせず、なぜそうなったのかを把握しておく必要があります。

 

そのまま何もしないということは、減額・減点を受けれたということになるのです。

減額されているわけですから、査定される意味が解らないときは再審査請求してみましょう。

 

 

少しでも返戻・査定のないよう、先生やスタッフが一丸となって、日々のチェックを正確に・・。

とはいえ、返戻・査定をゼロにするのは、なかなか難しいことだと思います。

 

もう20年以上も診療所で働いている私。

返戻・査定の処理を手がけるようになってから、一度だけ国保連合会からの審査報告がなし・ゼロのときがありました。

 

まさかそれはないだろうと思い、国保連合に電話で問い合わせたことがあります(笑)

本当にゼロだったときは、なんだか嬉しかったですよ。

 

レセプト返戻・査定の意味も知っておき、その対応ができるようにもしておいてくださいね~。