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医療事務の「くぅ」でぇ~~す(^o^)丿
家では、のんびりダラダラしているときもありますが、仕事中はテキパキと働いていますよ~。
おばさんですが・・(笑)
医療事務の仕事といえば、患者さんから診察代を頂くために精算をするという業務があります。
先生に診察してもらった行為が、いったいいくらになるのかは値札が付いているわけではないのでわかりませんよね。
でも、この値段は日本全国どこでも同じです。
診療報酬点数表とか診療点数早見表などといわれるものに載っています。
決められた点数をルールに従って算定して、患者さんから診療費をもらうわけ。
今日は、その点数本の中にある「注射」という項目について書いてみます。
・注射の手技料の点数とは?
・手技料は何度でも算定できるの?
・同じ日に2回したら?
このような疑問にお答えしていきましょう。
医療事務の資格を取ろうと勉強中のあなたにも参考になると思いますよ(#^.^#)
注射の手技料の点数とは?
診察を受けている患者さんに、先生が「注射をしましょう」と言われました。
この注射という行為にはいろんなものがあり、点数表でいうと大きく17項目ほどあります。
私が勤務する個人病院のような小さい医療機関では
1.皮内・皮下及び筋肉注射
2.静脈内注射
3.点滴注射
主に、この3種類です。
先ほど、偉そうに資格取得をめざされているあなたの参考になる・・なんて言いましたが、今回は小さいクリニックでする注射だけについて書きます。
実は詳しく説明できるのが、勤め先でもある小さい医院に関することなので・・(^▽^;)アハハ
注射の算定は、注射料と薬剤料を合算します。
この注射料という項目が、主に手技料といわれるものです。
注射実施料は何点?
では、個人病院でする3つの注射について、それぞれの注射実施料(手技料)をみていきましょう。
医療事務なら、診療報酬点数表の注射という項目を思い浮かべますよ~。
1.皮内・皮下及び筋肉注射 20点
2.静脈内注射 32点
1回につき、これらの手技料を算定します。
この2つの注射の手技料は、入院中の患者さんには取れません。
入院中の人には薬剤料のみ算定です。
3.点滴注射
点滴は、もう少し複雑(^^;)
・6歳未満の乳幼児に対するもの
(1日分の注射量が100mL以上の場合) 9998点
・6歳以上に対するもの
(1日分の注射量が500mL以上の場合) 9897点
・その他の場合 49点
(入院中の患者さん以外に限る)
*令和2年 診療報酬点数改定により一部変更になっています。(赤字)
点滴は1日につきです。
1回ではないので、気を付けてくださいよ。
私が勤めている入院設備のない小さい医院では、全てこの手技料が算定できます。
入院中の患者さん以外ということになりますから・・。
入院している患者さんには、この49点の手技料は取れないのです。
ややこしいのですが、手技料が算定できない(薬剤料しか算定できない)のは、入院中で
・6歳未満で注射量100mL未満の場合
・6歳以上で500mL未満の場合
これらの患者さんということになります。
もちろん、1日分の注射量です。
年齢や注射量・入院しているかしていないか、よく考えないといけません。
医療事務の資格取得のために、勉強されているあなたは要チェックですよ。
同日に2回注射をしたら?
ではでは、同じ日に2種類の注射をしたらどうでしょう。
例えば、1の筋肉注射と3の点滴をした場合。
点滴はそもそも点滴静脈内注射のこと。
ボトルやバッグに入った注射薬剤をつるして、ぽたぽたと時間をかけて静脈内に刺した針から投与します。
筋肉注射は、短時間で済むものです。
インフルエンザの予防接種みたいなイメージ。
この2つの注射の手技料は、両方の点数が取れます。
うちの患者さんにも、点滴をした後に、「肩こりがやわらぐ注射もして~」なんて言われたり・・。
手技料はしっかりいただきます(笑)
ですが、2の静脈内注射と3の点滴注射については、両方の手技料は算定できません。
診療報酬点数の早見表にも、『同一日に併せて行った場合、主たるものの所定点数のみ算定する』とあります。
この2種類の注射をしたときは、2の32点より3の点滴の手技料の方を取るということです。
こっちの方が点数高いですもんね(笑)
同日再診で気を付けること
先ほどのように、1回の受診で2種類の注射をしたときはお分かりいただけましたね。
ではでは・・。
午前中に点滴をされた患者さんが、夕方に再び受診された場合はどうでしょう。
診療に関しては、これを同日再診といいます。
もう一度、再診料を算定できるのです。
注射の項目に関しては、1回につき・1日につきがポイント。
1の皮内・皮下及び筋肉注射や2の静脈内注射は1回につきなので、それぞれ算定が可能です。
先ほども書きましたが、1回の受診に、2が点滴と絡んでくるときは気を付けなければなりませんでしたね。
主たるものしか取れません。
点数の高い方を算定します。
ただ、午前中に点滴をして、午後に静脈内注射をした場合は、それぞれの手技料が算定できます。
今度は、同日再診で点滴をしたときです。
点滴の手技料は1日につきというルールなので、午前中に算定した手技料を夕方の受診時には算定できません。
例を挙げてみますね。
入院設備のない個人医院へ、30歳の女性が午前中と午後の診察に来られたとします。
午前中に200mLの点滴をして、午後にもう一度同じ点滴をしたとします。
実際の現場では
・ソリタT-3号輸液 500mL 1袋
ブスコパン20mg 2%1mL1管
などというふうに、点滴の指示は薬名があって薬剤料も算定しますが、今回は手技料の説明だけとします。
午前中の手技料は49点で、午後も49点。
ですが、1日につきというルールから、午後の点滴には49点は取れないのです。
午後は注射の薬剤料だけの計算となります。
もう一例。
午前中に200mLの点滴をして、午後の受診のときは500mLの点滴をしたとします。
午前中の手技料は49点、午後は9897点ですよね。
このときは、午前の49点を削除して、9897点のみを算定します。
患者さんには、午前の49点分を返金して9897点分を頂きます。
同日再診のときの手技料は、重複して算定しないようにしましょう。
まとめ
意外にややこしい注射の手技料。
参考になりましたでしょうか。
特に同日再診のときは気を付けてくださいね。
注射には、この他に加算点なども算定できたりします。
静脈内注射や点滴注射で、6歳未満の乳幼児に対して取れる加算など。
今日は、個人医院における注射の手技料の点数について書いてみましたが・・。
大きな病院になると、他にも注射の項目や加算点など、注意をしなくてはいけないこともあります。
私は小さな医院に勤めているので、このくらいの知識で仕事ができますが、
・医療事務の資格取得のために勉強しているあなた
・大きな医療機関に勤めたいあなた
そんなあなたは、もう少し幅広く知っておいた方が良いこともありますよ。
ファイト~~(^o^)丿