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診療報酬改定が平成30年にあったことにより、私の勤める医院でも4月から点数の変化があります。
原則2年ごとに改定のある診療報酬。
診療行為に対する点数が、いくつか変更となっているのです。
病院へよく行かれる方なら、あれ?窓口で払う金額がちょっぴり安くなったような気がすると感じておられるかもしれません。
新年度の4月は何かと価格が上がったり下がったりと変化がありますよね。
医療費の算定にも2年ごとに改定があり、そのたびに年度が変わると医療現場もバタバタと慌ただしくなります。
私のように医療事務として現場で働いていると、今年は診療報酬改定の年で、又大変だな~と思いますが、実際はどうなるのか疑問に思ったことはありませんか。
医療事務の学習を始めようかな~と思っていたり、もうすでに勉強を始めておられるあなた!
2年ごとの改定にどう対処したら良いのだろうなんて、思ったりしているのではないでしょうか。
本日は医療事務に興味を持たれたあなたの心配がなくなるように、2年ごとに改定のある診療報酬について書いてみようと思います。
診療報酬改定は2年ごとに施行
診療報酬の改定で、せっかく勉強したことが無駄にならないのか心配されていませんか?
たしかに2年に一度、診療報酬の改定はありますが、身につけたものが無意味だなんてことには決してなりません。
なぜなら、診療報酬点数の変更があっても算定方法が変わるわけではないからです。
変更のあった点数さえわかっていれば、レセプト(診療報酬明細書)作成の方法も今までと違いません。
診療報酬の点数って何?
そもそも報酬とは、労働者が労働の対償として受けるすべての物のことをいいます。
病院などでは、保険診療の際に医療行為などの対価として割り出されるのが診療報酬です。
診療行為や薬の金額は、国の制度で決められていてどこでも同じ。
診療報酬点数として決められています。
公的に決定された診療報酬点数表に基づいて算定するのが診療報酬というわけ。
病院で診察や治療・薬を処方してもらうなどの保健医療サービスを受けたら、診療費(診察代)を支払いますよね。
医療機関や薬局が、その患者さんに提供したサービスの対価として受け取る医療費が診療報酬。
でも、病院などが受け取る報酬を全部あなたが支払っているのではありません。
自己負担金として1~3割を払っているだけ。
医療機関は、残りの9~7割を健康保険証に書いてある保険団体に請求して手にしているのです。
医療事務は、患者さんと保険団体の両方から受け取る報酬を計算しているといえます。
この報酬を算定する際に、基礎となっているのが「診療報酬点数」です。
原則2年ごとに改定があり、今年平成30年もその年度。
医療現場での対処
実際の医療現場では、診療報酬点数改定の説明会に出かけて行ったり、点数本で調べたりすることになります。
レセプトコンピューターや電子カルテの更新にも対応しなくてはなりません。
必ず新年度になる前、3月末までには改定作業は必要です。
4月までにあらかじめ大筋の改定項目は、情報として流れてきたりはします。
2年ごとの改定といっても、全てが変更になるわけではないので、勤め先の診療科に関係のある部分だけをチェックしていく感じ。
算定漏れしないように、新設された項目などはよく調べなくてはいけません。
ちなみに今回うちの医院では、認知症の「長谷川式」という検査をすれば取れる点数がありました。
特定薬剤管理料の算定時のコメント入力が変化したなど、今までと違うところは覚えておく必要があります。
点数自体はコンピューターがアップデートすればわかるので、暗記が必要というわけではありません。
ただ、患者さんから支払い金額が変わったことにお問い合わせがあれば、答えられる範囲で理解しておいた方が良いと私は思っています。
診療点数早見表を見て、あの分厚い点数本の全てをわかっていなくてはならないの?なんて心配されるかもしれませんが、そんなことはないのです。
勤務先に関係のあるところだけを把握しておくと良いでしょう。
資格を取ろうと勉強中のあなたへ
でも、今、医療事務を目指して学習中のあなたは悩みますよね~。
手元にある点数本で勉強していて良いのか、診療報酬改定があれば買い替えなくてはいけないのか等々・・。
医療事務を目指されているあなたが、資格試験を受験する時は最新の診療点数での算定です。
2年ごとの診療報酬改定の時に、買い替えとなります。
早見表は結構な値段もするしな~と思われているなら、厚生労働省の公式サイトに「診療報酬改定」というページがあるので、そこでの確認は可能。
ですが、PDFファイルを全てプリントアウトするなんて実用的ではないので、そこは2年ごとの改定年に診療点数早見表の購入をおすすめします。
厚生労働省のサイトは、2年の間に途中一部改正などがあった時に更新されるので、その時に利用するのが良いですよ。
特に頭を悩ませるのが診療報酬改定の時をはさんで、資格試験を検討されているあなたですよね~。
例えば、8月頃から勉強して、次の年の7月に資格試験を受験する予定だとします。
1年かけて学習していて、なかば4月にちょうど2年ごとの診療報酬改定がある場合。
診療報酬明細書(レセプト)の算定方法は計算の仕方は、基本変わらないので大丈夫です。
点数が違っても、レセプト作成のやり方は変わりません。
変更となった診療報酬点数によって、合計点数が変わってくるだけ。
なので、学習の方は8月から始めていてもOKです。
レセプト作成の方法は、今勉強中の参考書や問題集を使って、その時の点数早見表で計算していても問題ありません。
ゆっくり充分な期間で、理解を深めていって下さい。
ただ、4月以降は新しい点数早見表に慣れて、新点数での計算となります。
もちろん、7月受験の時も新しい点数。
いくつも問題集を解いていると、旧の点数を覚えてしまうこともあるかもしれませんが、そこは4月から切り替えましょう。
ちなみに、医学通信社の診療点数早見表では、改定のあった箇所には緑色のマーカー線や下線が引いてあります。
問題集によく出てくる点数が変更になっていないか、チェックしておくと良いですね。
私が20年前に医療事務の勉強をしていた時は、診療点数早見表を購入するのではなく、問題を解くのに必要な項目のみが抜粋されていて、点数表としてテキストになっていました。
なので、実際の点数本の分厚さや重さにはビックリしたものです(笑)
ずいぶん昔の話しですが・・(^▽^;)
まとめ
いかがでしたか。
診療報酬改定が2年ごとにあっても、焦ることも悩むこともないのです。
変更のあった点数を把握していれば、診療報酬自体の算定方法は何も変わりません。
今まで勉強してきたことが無駄になんてならないし、無意味でもないのです。
・医療事務の勉強をしようかなと思われているあなた
・資格試験を受験しようと思われているあなた
資格取得の試験では新点数です。
改定のあった年には、新しい診療点数早見表の購入をおすすめします。
ですが、実際、現場で医療事務として働くと、職場には新しい診療点数早見表があります。
ご自身で常に前向きに勉強をして資格取得を考えているという以外は、わざわざ点数本を買うこともないでしょう。
勤め先の診療科に必要な診療行為に対してのみ、新しい点数の理解が最低限必要となります。
今年平成30年の診療報酬改定は、私のように入院施設もない診療所で働いている場合、さほど大きな変更点はありませんでした。
それでも、2年ごとの診療報酬改定の年には必ず説明会に出かけて行き、新点数や新設の項目などを勉強しなくてはなりません。
医療事務を目指されているあなた。
資格取得に向けて、新しい診療報酬点数での勉強、ぜひぜひ頑張って下さいね。