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保険証確認は医療事務の大事な仕事。提示を求める理由とは?

この記事は約 14 分で読めます。

保険証確認は医療事務の大事な仕事

 

医療事務をめざされるあなたが、将来、窓口業務に携わるようになると、保険証確認という仕事があります。

 

患者さんから保険証を預かって、変更がないのか・間違ってないのかをチェックするのです。

月に1回、いえいえ毎回確認するところだってあります。

 

では、医療事務はなぜ何回も保険証を確認するのでしょうか。

 

私は、現役バリバリの医療事務なので(笑)、体調が悪くて病院を受診するときには、必ず保険証を持って行きます。

 

窓口で提示を求められる前に、率先して手渡すほど(^▽^;)

絶対、忘れません。

 

なぜなら、保険証の確認がいかに大事かを知っているからです。

 

今日は、医療事務が

・健康保険証を確認しなくてはいけないのはなぜ?
・どれくらいの頻度で確認するの?

このようなテーマで、どうして重要なのかを説明していきます(^^)

 

 

 

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保険証確認は医療事務にとって大事な業務

 

来院された患者さんには、まず窓口で「保険証はお持ちですか?」「保険証をお願いします」と声がけします。

 

あなたが医療事務になられたときには、保険証を預かることが最初の仕事でしょう。

 

そんな健康保険証にはいろいろな種類があります。

あなたがお持ちの保険証と私のものは違うかもしれません。

 

保険証の種類については、

保険証の種類について。医療保障制度のしくみから知ろう!

こちらの記事に書いていますので、ご覧いただければと思います。

 

大まかにいうと、社会保険と国民保険です。

さまざまな保険証があるので、確認はきっちりしなければなりません。

 

 

医療証なども見せてもらう

 

昔は家族で保険証が1枚という時もありましたが、今では1人に1枚発行されています。

ただ、人によってはその保険証1枚だけで良いのかというと、そうではない時もあるのです。

 

例えば、70~74歳の人が持っている高齢者受給者証。

保険証と兼用で1枚になっている場合もありますが、別に持っている方には提示をお願いしなければなりません。

 

また、健康保険証と併用して使う公費保険というものもあります。

都道府県によって、乳幼児や母子家庭など公費で扱える保険があるのです。

 

自己負担限度額という証を持参されることも・・。

 

このように主となる保険証は1枚なのですが、他に医療証となるようなものがある場合は、それらも同時に預かりましょう。

 

なぜなら、保険証によって患者さんから払ってもらう金額が違ってくるからです。

 

ここ大事ですよね~(^^)

患者さんにとっては、医療費が高いか安いかにかかわってきますからね。

 

もちろん、医療機関にとっても請求業務に大いに関係します。

持ってこられている保険証類を全て見せてもらうのも良いでしょう。

 

患者さんよっては、古い保険証をコレクションしているかのように(笑)たくさん持っていることがあります。

 

医療事務は、現在どの保険証が有効で必要なのか見極めることも重要です。

間違った保険証を出されたり、期限が切れていたりなんていうこともなきにしもあらずですから。

 

 

保険証が違っていたら・・

 

保険証を見せてもらうと、清算するときの割合がわかります。

ほとんどの人は3割負担。

 

先ほど述べた年齢や公費によっては、この自己負担金が変わってくるのです。

 

診察代金は、診療行為に対して決められている診療報酬点数というもので計算されています。

この点数はどの都道府県でも同じ。

 

医療費の算定は、医療事務にとって重要な業務の一つです。

患者さんに間違いなくお支払い頂くためにも、保険証確認は大切。

 

医療事務は患者さんの負担金を精算したのち、保険証に書かれてある団体(保険組合)に残りの割合分を請求します。

 

患者さんから3割支払ってもらった場合、医療機関は残りの7割分を請求しなければなりません。

これがレセプト(診療報酬明細書)業務というもの。

 

保険証の期限が切れていたり変更されていたにもかかわらず、きちんと確認していなかった場合、保険組合からは入金されません。

 

言葉は悪いですが、7割分を損するということ。

保険証が違っていると、レセプトが返戻といって戻ってきます。

これでは、医療機関側の収入とはなりません。

 

もちろん、医療事務はここから7割分を取り戻しにいくわけですが・・(笑)

再請求したとしても、入金まで時間もかかってしまいます。

けっこう、面倒・・。

 

保険証に間違いがなければ、しなくても良かった作業ですから(>_<)

 

医療費の算定時には、健康保険証をチェックしておくということがとても大事だというわけです。

 

 

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提示してもらう根拠

 

念のために書くと、保険証を確認するということは法的に決められています。

そんな法律聞いたこともない!なんて思われるかもしれませんが、あるのですね~(^^)

 

医療機関が守らなければならい「保険医療機関及び保険医療養担当規則」。

保険医療機関(特定承認保険医療機関を含む)や保険医が保険診療を行う上で守らなければならない規則となっています。

 

療養担当規則は厚生労働省令です。

この第三条に、受給資格の確認という規則があります。

 

保険医療機関は、患者から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確めなければならない。
ただし、緊急やむを得ない事由によつて被保険者証を提出することができない患者であつて、療養の給付を受ける資格が明らかなものについては、この限りでない。

保険医療養担当規則 第三条より

 

病院の先生が診察をする上で、守らなければならないルール。

法的に決められているからには、医療事務は確認しなければなりません。

 

被保険者証とはあなたがお持ちの健康保険証のことです。

 

 

これらは医療機関側の話しでしたが、実は患者さん側にも決まりがあるのです。

それが「健康保険法施行規則」。

 

第五十三条に書かれているので、簡単にまとめます。

病院又は診療所(以下「保険医療機関等」という。)から療養の給付又は入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養若しくは保険外併用療養費に係る療養を受けようとする者は、被保険者証を当該保険医療機関等に提出しなければならない。ただし、やむを得ない理由があるときは、この限りでない。

健康保険法施行規則より

 

なんだかややこしくて難しい文章ですが、病院へかかった時は、保険証を渡さなければならないということ。

 

いくら面倒くさいと思われても、患者さんからは保険証を提示してもらいましょう。

法的根拠があるのですから・・。

 

私達、医療事務スタッフも、療養担当規則を守ってしっかり確認しなくてはいけません。

 

とはいうものの、たまに病院へ来られる患者さんは仕方がないにしても・・。

頻回に受診されてる人から、毎回見せてもらうというのはどうなのでしょうか?

 

けっこう嫌がられます~(^^;)

持ってくるの、忘れちゃったとかね。

 

逆に、受付の事務の方から「今回は良いですよ~」と言うこともあったりします。

 

アッ、現役の医療事務がいう言葉ではありませんね。σ(^_^;)アセアセ…

(‥ )ン? いいのかな?

 

 

毎回見せてもらう?月1回?

保険証確認は月1回

 

では、いったいいつ見せてもらえば良いの?と思いますよね。

院内の壁に貼ってある『保険証は月に1回必ずお見せ下さい』みたいな掲示物を見かけたことありませんか。

 

規則的には、診察の際には必ず提示してもらう・確認するといった解釈になります。

ですが、だいたいは「月に1回見せて下さい」ということが多いでしょう。

 

1ヶ月の間でそんなに保険証が変わることはないという前提ですね(^^;)

今回は良いですよ~というパターンは、同月に2回目だったということでしょう。

 

でも・・、けれど・・、しかし・・(^▽^;)

厳しくいうと、保険証を持ってきていないというのは、健康保険がきかないということで、本来なら全額実費です。

 

毎回、その都度お願いしないのは、自宅にある・変更ないという元で、病院側が患者さんを信用しているのですよ。

 

窓口の医療事務は、最低でも月に一度、必ず見せてもらいましょう。

 

うちの医院も基本的に月に1回の提示をお願いしています。

月初めに忘れても、同じ月なら次回持って来て下さいね~ということでOK。

 

定期的に月に何度も訪れる患者さんにとっては、受診するたびに保険証も見せるというのはけっこう手間だと思うから・・。

 

そこは配慮していますので、保険証が変わった時は早急に知らせて欲しいと思っているわけです。

 

・勤務先が変わって保険証が変更になった
・保険証の期限が月の途中
・就職して新しく保険証ができた

などなど、変更があった時はすぐに知らせていただくと医療事務は助かります。

 

初めての患者さんには、必ず保険証を見せてもらわなくてはなりません。

持参されていないときは全額自費です。

 

月末に風邪で来院されて、改善せず次の月初めにもう一度来られたとき。

そんな場合は、月に1回ということでその都度見せてもらっています。

 

同じ月なら「いいですよ~」と言ったりしているのが現状です。

 

うちのように、町の個人の医院では保険証どころか診察券もなしで、顔パスで来られる患者さんもいたり(^▽^;)

 

まぁ、実際のところ、月に1回、保険証を見せて頂ければよし!としています。

 

 

まとめ

 

保険証を確認する理由や提示してもらう頻度はおわかり頂けましたか。

 

必ず保険証を確認すること。

それには法的根拠があったのです。

 

医療機関にとって、重要な請求業務に関わる保険証の確認。

見せてもらった保険証が使えるから、窓口で負担金として精算する金額や保険組合に請求できる医療費が算定できるのです。

 

保険証の確認は、医療機関の収益にも直結すること。

経営面でも重要だといえます。

 

保険証確認をきっちりしていないと、医療事務はレセプト返戻や減点など厄介な業務が増えるわけ(;´∀`)

 

毎回提示してもらっても差し障りありませんが、患者さんにしたら面倒くさいですよね?(笑)

「月初めにも見せたよ~」と言われたりしますから(^^;

 

少なくとも月に1回は保険証を確認しなければならないのが、医療事務としての業務の一つ。

 

あなたがもし医療事務をめざしておられるなら、保険証の確認は大事な仕事だと覚えておきましょうね(#^.^#)