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将来、医療事務になりたいと思われているあなたへ。
医療事務として働きだしたら、さまざまな細かい業務が待ち受けています。
あなたが医療機関に勤め始めたとき、まずは保険証やカルテの見方から覚えていくことになるでしょう。
受付窓口で「保険証はお持ちですか?」と尋ねます。
受診された患者さんには、必ず保険証の提示をお願いするわけ。
患者さんが保険証を忘れたり、なくした場合は実費扱いになり、保険での診療はできません。
窓口で保険証を預かって、診察された患者さんの精算、請求業務が医療事務の仕事です。
保険証があるということは、医療事務の要ともいわれる保険請求が業務として発生。
診療報酬明細書(レセプト)を作成して請求するのです。
レセプトに関する仕事には、まず勤務してすぐに携わることは少ないでしょう。
ですが、この保険証の確認やコンピューター入力は、日々の業務の一つ。
毎日する仕事です。
特に、保険証のチェックはとても重要。
保険証の確認ミス・間違いは、勤務先の医療機関の収入に関わってくるから・・。
その中で、保険証の有効期限も見落とさないように注意しなければなりません。
本日は、さまざまな種類の保険証がある中、有効期限に関することを重点的に書いてみようと思います。
もし、有効期限を間違ってしまったらどうなるのか、医療事務をめざすあなたも気になるでしょう。
重要な保険証の有効期限チェック。
ぜひ参考に読んでみてください。
保険証の確認業務は重要な仕事
医療事務になったら、毎日保険証をみます。
どこの病院でも、患者さんには「必ず月に一回は保険証を見せてください」と言うはず。
保険証に書かれてあることはカルテにも必要で、医療費の請求のときにも必須内容です。
患者さんが受けた医療行為に対して、保険証に書かれてある保険団体から、ある一定の金額が病院に入ってきます。
これが医療機関の収入。
もちろん、この金額だけが病院の収入ではありませんが、大部分を占めます。
そんな医療機関の収入源を、医療事務のミスによってもらえなくなっては大変。
それには、保険証の確認、コンピューター入力のミスがないようにしなければならないのです。
保険証には大きく分けて、国民保険と社会保険があります。
あなたもお聞きになったことがあるかもしれませんね。
スタッフの間では、「国保」「社保」と呼んでいます。
保険証の種類については、
『保険証の種類について。医療保障制度のしくみから知ろう!』にもまとめていますので、そちらもお読みくださいね。
今日のこの記事では、詳しい保険証の種類には触れません。
国保の有効期限
では、まず国民保険の有効期限のお話しから・・。
国民保険は、勤務先から保険証をもらっていないあなたが手にする保険証。
市町村などが発行する保険証です。
国民保険は74歳以下の方が持っておられます。
ちょっとややこしいかもしれませんが、お勤めされている方の扶養家族に入っている場合は社会保険となりますからね~。
例えば、会社勤めのお父さんの子供達は、社会保険だということ。
国民保険証には、きっちり有効期限が書かれてあります。
多くが1年間となっているのではないでしょうか。
これは自治体にもよるので、2年間という保険証もあるかもしれません。
私が住む市では有効期限が1年間で、切れる前に郵送(書留等)で届くことになっています。
年に1回、有効期限が変わるので、確認はきっちり忘れずに・・。
これ、医療事務の仕事ですよ。
ここで、70~74歳の高齢者に関しては、もう一枚交付されるものがあります。
それが高齢者受給者証。
高齢者受給者証の期限は、これまた国民保険証と有効期限が違っていたりするのです(>_<)
それぞれの有効期限のチェックは、きっちり行いましょう。
期限の切れている保険証では、保険扱いの診療はできません。
ちなみに75歳以上の方は後期高齢者医療保険で、有効期限も記載されていますので、 確認は必須です。
社保の期限はどこ?
次は、社会保険の有効期限についてです。
そもそも社会保険には有効期限はありません。
実は、私も医療事務になるまで知りませんでした。
まぁ、そんなところまで、まじまじ見る人もいないかもしれませんが・・。
医療事務のちょっとした豆知識ですね(^▽^;)
もし、あなたのお手元に社会保険証があれば、確認してみてください。
社会保険というのは、勤務先からもらえるもの。
会社勤めのあなたが交付される保険証というわけです 。
もし、この保険証に有効期限が書かれてあったら、その日までしか会社で働けないことに なりますよね。
仮に有効期限が書かれてあったとして、期限が来たら再発行だなんて、そんな無駄なこと する必要もないわけです。
手間もコストもかかりますから。
保険料はもともと会社で天引きされているので、保険証がもらえない・なくなるなんてことも ないし・・。
社会保険の期限が切れるのは、あなたがその勤務先を辞めたときです。
保険証は会社に返すわけですが、これがまた・・。
企業はきっちりと回収してくれていないのですよね~~。
そこで何が問題になるかというと・・。
会社は辞めたのに、保険証をそのまま受診するときに持ってこられる患者さんがおられること。
会社を辞めると、その保険証はもう使えません。
新しい勤め先から保険証をもらうか、国民保険になるかです。
社会保険に関しては、医療事務の方から有効期限を知ることはできないのです。
できることなら、企業が徹底して退職された人の保険証は回収して欲しいと、私・・いつも思っています。
こんなふうに社会保険については、レセプト請求でもややこしいことになりかねません(>_<)
このあたりは、また別の記事で詳しく書こうと思います。
医療事務が保険証の有効期限を確認すること。
それは大事なのですが、社会保険に関しては手も足も出ないということですね(笑)
医療事務が保険証の有効期限を間違ったら?
それでは、有効期限を間違ってしまうとどうなるのでしょうか。
有効期限を間違って保険請求をすると、返戻といって診療報酬明細書(レセプト)がそのまま返ってきます。
この時点では、医療機関の収入にならないということです。
保険証が有効ではないのですから当然。
有効期限が過ぎたあと、その日以降に加入した保険証の組合団体に請求しなければならないわけです。
国民保険なのか社会保険なのかもチェックして、再請求するという面倒な事態に・・。
そのときは、患者さんへ電話連絡をして、新しい保険証を持ってきてもらうことになります。
心の中では「保険証を間違って持ってこないで~」とか「有効期限をきちんと見てね~」と思ったり・・(^▽^;)
まぁ、確認をきっちりしなかった医療事務にも責任はありますが、社会保険だけは本当わかりません。
毎回窓口で、患者さんに「今も、間違いなくこちらの企業にお勤めですか?」とは聞けませんから・・。
仕事を変わったタイミングで、どの保険証が有効なのか分からないとき。
患者さん側から窓口で、その旨、お話ししてもらえると助かるのですけどね~~。
このように、保険証の確認をきっちりしておかないと、医療機関の収入にはならないということです。
保険請求をしても戻ってきてしまいます。
大げさに言うと、医療機関の経営にも関わってくることなのです。
まぁ、実際は再確認の後、遅れてきっちり請求しますけど・・。
有効期限が違っていると、厄介なことになるわけです。
でも、医療事務をめざされているあなた。
ちょっぴり安心して下さい。
今どきのコンピューターは有効期限が切れていると、教えてくれます。
保険証の有効期限を見間違えて入力していたら、元も子もないですが・・(笑)
最初にきっちり入力しておくと、期限切れはチェックできます。
レセプト請求する前に気が付けば、返戻となることもありません。
まとめ
いかがでしたか。
医療事務は、必ず患者さんから毎月、保険証を見せていただき、有効期限もしっかり見ましょう。
もちろん有効期限だけではなく・・他もきっちりですよ。
コンピューター入力のときには、間違いなくインプットしましょう。
国民保険証の期限切れはチェックできます。
社会保険証を持ってこられた患者さんは、有効期限がわかりません。
仮に、会社を辞めていたとしても、医療事務が患者さんから保険証を預かり、きっちりチェックした事実があると・・。
支払基金に、強気で事情を説明できます。
面倒なレセプト請求のやり取りをしなくて済むかもしれません。
保険証の確認は、医療事務の仕事の一つ。
有効期限も忘れずチェックです。
まぁ、再請求すれば良いといわれるかもしれませんが、これ時間もかかるし、面倒くさい業務となりますから・・。
医療事務として恥ずかしくないよう、誇りをもってきっちり仕事をしたいと思うのでした・・(^^)