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今年の診療報酬点数改定があって一ヶ月が経ちましたね~。
レセプト請求がそろそろ・・で、バタバタされておられる頃。
うちのような診療所では、大きな病院とは比べものにはならない患者さんの人数だし、電子請求になったりでそんなに慌ただしくはなりませんが・・。
それでも、改定があった年はいろいろチェックはします。
今年から導入されたリフィル処方箋というシステムもそうですよね。
リフィル処方箋にするかしないかは医療機関それぞれ。
いまのところ、リフィル処方箋をあまり採用したくないというところもあるでしょう。
でも、今後このシステムが認知されて希望される患者さんが多くなり、医師が可能だと認めた場合はリフィル処方箋になっていくかもしれませんよね~。
で、リフィル処方箋を発行するにあたり、個人的に疑問もあったりします。
こんなときはどうなるの?という問いが、少しでもスッキリするようにまとめておこうと思います。
本日はリフィル処方箋への疑問、Q&Aといきましょう。
リフィル処方箋を発行するときの疑問。Q&A特集
リフィル処方箋に対して、まだ前向きな先生ではない医療機関でも、今後こんな場合はどうなるの?と思うかもしれません。
実際、患者さんから問い合わせがあっても、先生はまだ一度もリフィル処方箋を発行されていません。
というか、以前にも記事に書きましたが、診療所にとっては経営上あまり喜ばしいシステムではありませんから(^^;)
こちらの記事です。
※『リフィル処方箋のメリットとデメリット。診療所はどうする?』
ご参考に・・。
現在リフィル処方箋に対応していないところも、これからは患者さんの要望より相談してから・・という対処に変わっていくかもしれません。
そのときに備えて、分からないこと・疑問に思うことを回答が得られている部分をまとめておきます。
疑義解釈資料の送付について(その1)より
・Q&A① 処方箋を発行する際、リフィル処方箋にする薬としない薬がある場合はどうするの?
たとえば、風邪薬といつもの慢性疾患の血圧の薬が処方された場合ですよね。
風邪薬5日分と血圧の薬。
風邪薬はリフィル処方箋にする必要がないですもんね。
血圧の薬をリフィル処方箋で3回等のときは、処方箋を分ける必要があります。
リフィル処方箋とリフィル処方箋以外の2通りを発行。
もちろん、院外処方箋料は1回の68点のみ算定です。
・Q&A② リフィル処方箋の発行ですが、2種類以上の薬があってそれぞれの投薬期間が違う場合はどうなる?もしくは、リフィル処方の回数が2回・3回とそれぞれの薬によって違うときは?
これも、処方箋は分けるしかありませんよね。
それぞれの薬に対して、先生が処方された日数が違うのですから・・。
投薬期間が同じ薬、リフィル処方の回数が同じ薬というふうに処方箋を分けるということ。
保険医協会Q&Aより参考に・・
・Q&A③ 院内処方のときは関係ないの?
リフィル処方箋というふうに処方箋となっているので、処方したときという意味ではありません。
処方箋を発行した→院外処方箋を配布したということ。
院内処方の場合は認められていないので、受付の窓口で診察もなし・薬だけもらえるというわけではないのです。
・Q&A④ 発行したリフィル処方箋を途中でなくしたらどうなるの?
リフィル処方期間中に処方箋をなくしてしまったら、薬局で薬はもらえません。
医療機関でリフィル処方箋の再発行となります。
リフィル処方箋ではなくても、薬をなくしたや処方箋を紛失してしまった・有効期限が切れてしまったという場合は普段から再発行です。
そのときは、保険扱いできません。
実費になります。
リフィル処方箋ももちろん自費扱いです。
ですが、通常の1回分の処方箋とは違い、2回目・3回目の薬を薬局でもらおうと思ったときに手元にリフィル処方箋がないのなら・・。
医療機関できちんと診察をして、いつものように処方箋を発行してもらえば保険扱いです。
あー、なくしたリフィル処方箋を下さいと受付へ申し出ただけの場合は自費です。
通常の診察パターンになるだけ。
これじゃ、リフィル処方箋にしてもらった意味はありませんけど・・(笑)
患者さん御自身の管理、紛失しないかは心配ですよね。
従来通り、紛失した場合は患者さんの自己負担となる旨は伝えておいた方が良いかも・・。
・Q&A⑤ リフィル処方期間中に保険証に変更があったらどうする?
これは、医療事務にとっても要チェック項目ですね。
保険証が途中で変更になっても、医療機関側は特に対処は必要ありません。
次の受診時に忘れず確認しましょう。
患者さんから申し出がない限り分からないことなので、判明した時点でチェックしておくのも良いですね。
リフィル処方箋の変更・発行は要りません。
ただ、リフィル処方期間中に別の症状で来院されたときは、変更になった保険証で診療ですよね。
新しい保険情報が判明しているので、受診時は新保険。
発行済のリフィル処方箋は医学的に必要がなければ再発行の必要はありません。
再発行しても何も請求できないし、だいたいどんなリフィル処方箋を発行したら良いのかも分かりません。
仮に3回のリフィル処方箋だとして、次の月に保険変更となったら・・。
1回目は旧保険、2ヶ月目からは新保険。
2回のリフィル処方箋に変更??
憶測ですが、ややこしすぎます(^^;)
薬局側が新保険での請求となるのでしょう。
患者さんが医療機関に受診した時点で、資格喪失・資格変更があるかどうかの確認で対応します。
・Q&A⑥ リフィル処方箋対応の処方箋、患者さんが自分でチェックを入れたりしない?リフィル可に取り消しの二重線を入れても良い?
まぁ、あり得ないとは思いますが、患者さんご自身がリフィル可にチェックを記入したりすることは無きにしも非ず・・。
そんなことを防ぐために、取り消し線を引くのは必要でしょうか。
これ、手書きでいちいち書くのは大変ですよね~。
システムベンダーに問い合わせてみました。
厚生労働省からの通知もないところ、医療機関からの問い合わせ・要望は結構あるとのこと。
二重線を入れる方法はあるそうですが、推奨はしませんとのことでした。
患者さん個人に対して引かれるわけではなく、医療機関としての一括で取り消し線を引くシステムだからだそうです。
患者の症状によってではなく医療機関としてリフィル処方に対応しない方針を掲げている事例や処方箋のリフィル可欄に患者への特段の説明や患者の同意がなく打消し線が入っている事例等について、精査する必要がある。
財務省・社会保障 令和4年 診療報酬改定より
国の方からも注意書きとして表示されています。
医療機関として全部二重線を引くシステム・リフィル処方箋に対応しませんというのはダメだということですね。
患者さんへの説明・同意があれば打消し線はOKのような気もしますが、まだリフィル処方箋の意味すら知らない患者さんにわざわざ伝えるのも大変。
全ての処方箋に二重線が入る設定は、どうもよろしくないですねー。
うちとしては当分、患者さんを信じつつ取り消し線なしとしました。
ちなみに保険医協会は、取り消し線を入れて交付しても差し支えないとしています。
きっと、患者さん一人一人に説明をして了解を得てる場合でしょうね。
何やら、どうしたら良いのかモヤモヤ感は残りますが・・。
厚生労働省から何かしら通知があるまで、もう少し待つこととしましょう。
まとめ
まだまだ他にも疑問点はあるかもしれません。
うちもまだリフィル処方箋を発行したことがないので、今後また新たに疑問も出てくるでしょう。
その都度、加えていくことにします。
リフィル処方箋という制度、どれくらい認知されてきたのでしょうね。
Q&A特集でした。