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いやぁ~、すっかりご無沙汰してしまいました(^^;)
ハーティジム管理人、診療所の医療事務おばさん「くぅ」です。
もう10月になってしまい、緊急事態宣言も解除されましたね~。
診療報酬点数についても、感染症対策実施加算(外来5点・入院10点)が廃止。
点数の変更があったのは、もうご存知ですよね。
臨時的な取り扱いも、その都度気を付けていかなくてはなりませんが、小さい診療所での算定項目は大きな病院に比べるとそう多くはありません。
手術が頻繁にあるわけでもないし入院もないし、把握しておかなくてはいけないことはだいたい決まってきます。
でも、診療所クラスであっても、これからの高齢化社会に向けて在宅医療については少し知っておかなくてはいけないのかな~なんて思ってきています。
20年以上も同じ医院で勤めていると、なかなか新しい項目に目を向けることに億劫になりがちです。
いまさら、転職は考えていませんが(^^;)
勉強できること、知っておいた方が良いこと、参考になること・・やっぱり向上心は忘れないようにしたいと思っています。
なんて、久しぶりに記事を書いてテンション上がってる感じですかね・・(笑)
今日は、在宅医療の基本的なこと。
訪問診療と往診の違いについて見ていこうと思います。
在宅診療って何?
私の勤めている診療所は、在宅医療を積極的にしている医療機関ではありません。
普段の診療以外の空いている時間に患者さんの自宅へ向かうというのは、先生にとってもなかなか大変なことではないのかな~なんて思ったりしていました。
でも、在宅診療をしている医療機関と検索をすると・・。
うちの地域でも、以前に比べて多くなっているような感じがします。
在宅医療とは病院へ通院するのではなく、自宅などで受ける医療です。
自宅などというのは、老人施設に訪問して医療を行うこともOKだということ。
もちろん、誰でもというわけにはいきません。
通院が困難な患者さんに対しての医療です。
そりゃそうですよね(笑)
訪問販売じゃないんですから、いつでも先生の方からやってきてくれるなんて話しではありません(^^;)
うちでも、ほんと時々ですが先生が往診といった形で、患者さんの自宅へ行かれることがあります。
これ、診療報酬点数表の「在宅医療」の「C」の部分の一つですね。
そういえば、糖尿病の患者さんが自宅でインスリン注射をされているのも在宅医療の項目です。
在宅という意味では、無呼吸症候群の患者さんに自宅で実施してもらう呼吸法もあります。
こちらの記事で簡単に説明しています。
『在宅持続陽圧呼吸療法管理料のコメント。無呼吸症候群の算定』
診療報酬点数の項目でいう在宅医療で、私が知っているのはこれぐらい・・(;^_^A
あと、訪問看護ステーションなどに訪問看護指示書を交付したり・・という点数を算定することもあります。
まぁ、要するに「在宅医療」をあまりよく分かっていない状態であるというわけです。
お恥ずかしい・・。
で、最近になって慌てて、ちょっと勉強しなくちゃと思ったわけです。
訪問診療と往診の違い
まず、基本的なところから覚えていきましょう。
往診という項目は「在宅医療」の中にある診療点数。
うちでも今まで、往診の点数は算定したことはあります。
けど、訪問診療との違いをまじまじと考えたことがありませんでした。
在宅医療をしていない医療機関の医療事務でも、せめてこれくらいは把握しておきたいものですよね。
訪問診療と往診の大きな違いといえば、計画性があるかないか。
先生が自宅などに行くということについては変わりありません。
ですが、患者さん側から電話で自宅まで診に来て欲しいと言われた場合と、受診できない患者さんにあらかじめ計画を立てて自宅へ向かう日程を決めている場合。
この違いです。
もう一度まとめますね。
・往診
患者さんや家人などからの求めで、医師が必要だと認めた場合に自宅などへ赴いて診療すること
・訪問診療
通院が困難な患者さんに対して、計画的に定期的に自宅などへ訪問して診療をおこなうこと
在宅医療と訪問診療の違いは?とか、往診と何が違うの?などと思っていましたが、私も払拭できました(笑)
在宅医療という大きなくくりの中に、往診や訪問診療があるとイメージします。
自宅などでの診療という大きなくくりの中に、計画性があるかないかの違いで往診か訪問診療に分かれるいうことです。
診療所内での診察ではなく、先生が足を運んで患者さんのおられる場所まで行き診療します。
在宅診療といわれることもあるのでしょうか。
診療報酬点数上では、在宅診療とはいわないで訪問診療だと思いますが・・(;^_^A
在宅医療の「在宅」というのは、患者さんの自宅、有料老人ホームや高齢者住宅・特別養護老人ホームに入所されている場合も含みます。
ちなみにうちは小さな診療所なので、往診の点数は720点を算定しています。
在宅医療の点数算定は難しそう
今まで避けて通ってきたというか、勤務先であまり経験がないという私。
やっぱり在宅医療の点数は難しそうな気がして、苦手意識があります。
何より、診療報酬点数早見表をみてもややこしそうですから。
だいたい、在宅医療の点数ってどこの医療機関でも算定して良いの?なんて疑問もあります。
特別な施設基準を満たしていないといけないとか・・ね。
で、訪問診療と往診の違いがわかったところで・・。
保険医協会というところへ電話をしたりして、診療所で算定できる点数を少し尋ねてみました。
今後は益々、在宅医療が広がっていきそうですからね。
とりあえず、往診の点数はうちでも取ったことがあるのでOK。
他に訪問診療ができる医療機関に、特別な規定がないのか・・?
在宅医療の算定項目には、
① 在宅患者診療・指導料
② 在宅療養指導管理料
という部分に分かれています。
②に関したものは先ほども書きましたが、インスリン注射や無呼吸症候群など患者さん達に算定できる点数。
わざわざ、先生が自宅などへ向かわなくても取れます。
もちろん、医療機関へ受診されたときは療養上必要な事項について、注意や指導をし管理しているので算定できる点数です。
で、往診のように実際、患者さんの自宅などで診療した場合には①の項目の点数となります。
・C000 往診料 720点
診療報酬点数表から
これにはさまざまな加算点があります。
・緊急で行った場合や夜間など時間帯によって算定できる点数
・患者さんの自宅などで長い時間診療を行なったときに取れる点数
など、他にもいろいろあります。
往診は、電話などで直接自宅などで診察して欲しいという求めから、先生が必要性を認めて診療に向かった時に算定します。
すみません・・(;^_^A
何度もしつこいですよねぇ。
では、往診ではなく受診が困難な患者さんの自宅などへ、計画を立てて訪問する場合。
これも特別な施設基準がなく、定期的に計画性をもって自宅などに赴くと算定可能です。
うちのような小さな診療所でも訪問診療として取れます。
・C001 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(1日につき)
1 在宅患者訪問診療料1
イ 同一建物居住者以外の場合 888点
ロ 同一建物居住者の場合 213点診療報酬点数表より
令和3年では、これらの点数を算定します。
なんだか、ややこしくなってきましたよ~。
1の(イ)と(ロ)の違いは、診察する建物に患者さんが一人なのかそれ以外なのかです。
おうちに診療してもらう患者さんが一人なら、(イ)の888点。
もし、おうちに一緒に住んでいる奥さんも同時に診察するなら、ご主人は(イ)の888点、奥さんは再診料を算定することになるのです。
マンションなどのように、同じ建物の2階と5階の別の患者さんのところへ訪問するとなると(ロ)の213点になります。
同一建物居住者にもいろんなパターンが考えられそうで、ますます頭がこんがらがりそう(笑)
在宅医療の算定項目は、まだまだこんなもんではありません。
ここまでは基本中の基本。
うちのような小さな診療所でも、簡単な施設基準に係る届出をすると「在宅時医学総合管理料」も算定できるようになります。
これは診療所でも算定できる結構大きな点数。
機能を強化した『在宅療養支援診療所』や『在宅療養支援病院』に該当するような厳しい施設基準をクリアしなくてはならないなんてこともないのです。
もし、今後在宅医療を取り入れていこうと思っておられる医療機関やもうすでに始めておられる診療所などに勤務するときには、勉強しなくちゃ~ですね。
まとめ
昔から地域にある町のお医者さんにあたる医療機関では、患者さんがだんだん高齢化してきています。
かかりつけ医の先生を頼ってこられる患者さんの顔ぶれは変わらないからですね。
そういう私も、どんどん年をとってきて人のことはいっておられません(;^ω^)
私の母ももう随分な年なので、もしもときは在宅医療をお願いしなければならないな~とも思っています。
最近、膝が痛いなんて言ってる母。
歩けなくなったら、自宅まで来ていただけると助かりますよね。
そんなときに、どこの医療機関でも訪問診療をしてもらえるのか、どれだけの費用になるのか、これからも調べていきたいと思うわけです。
電話して往診してもらえるかかりつけの先生や訪問診療をしてもらえる医療機関。
患者さんにとっては有難いことですよね。
さまざまな算定事例があって、複雑な在宅医療。
医療事務としても、最低限の知識は持ち合わせていたいと思います。