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在宅自己注射指導管理料の回数の考え方。月末から始めたとき

この記事は約 14 分で読めます。

在宅自己注射指導管理料の回数の数え方

 

診療報酬点数本の中に、在宅医療という項目があります。

 

勤めている医療機関が、往診や訪問診療をしていないから「在宅」については関係がないというわけではありません。

 

患者さんが自宅で使用する注射を指示されたときなどでは、在宅医療となるのです。

 

うちのように小さな診療所では、主には糖尿病の患者さんが使用しているインスリン注射が多いのではないでしょうか。

 

このような患者さんに対して算定できるのが、在宅自己注射指導管理料という点数。

 

在宅自己注射指導管理料を取るときには、注射の回数によって点数が違ってきます。

 

ですが、この回数の数え方って、いったいどうやって判断しているのかご存知でしょうか。

 

案外、現役の医療事務でも、毎月来られる患者さんだからいつもの点数で算定しているだけとか・・。

 

当然のように先月と同じだから・・という感覚だったりします。

まぁ、あながち間違いではないのですが・・。

 

本日は、本来の在宅自己注射指導管理料の回数の考え方を書いておこうと思います。

 

 

 

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在宅自己注射指導管理料の回数の考え方

 

在宅自己注射指導管理料は、診療報酬点数早見表にもあるように

『厚生労働大臣が定める注射薬の自己注射を行っている入院中の患者以外の患者に対して』算定できる点数。

 

先ほど書いたようにインスリン注射だけではなく、他に骨やリウマチなどの注射もあるのです。

 

どんな注射があるのかは詳しく書きませんが、興味のあるあなたは、点数本の「別表第9」というところで確認してくださいね。

 

小さなクリニックで、特に多いのがインスリン注射。

ということで、今回は糖尿病のときに使用される注射について書いてみます。

 

 

インスリン注射を打つ回数

 

まずは、いつものように診療報酬点数早見表より

C101 在宅自己注射指導管理料

1 複雑な場合 1,230点

2 1以外の場合

イ 月27回以下の場合 650点
ロ 月28回以上の場合 750点

 

令和3年4月現在では、このような点数になっています。

 

うちでは、(1)のような複雑な場合に該当する患者さんはいません。

間歇注入シリンジポンプを用いて在宅自己注射を行っているような患者さんですね。

 

なので、(2)のイ.650点なのか、ロ.750点を算定するのか、こちらの点数に限って考えてみようと思います。

 

患者さんが使用するインスリン注射の薬剤は、1種類の人もあれば2種類以上の人もあるわけ。

 

単純に1種類の薬剤を毎日1回打つように処方され場合。

1年12ヶ月、30日のときもあれば31日の月もありますよね。

2月に関しては、28日もしくは29日。

 

どの月に関しても、インスリン注射を1日1回というふうに先生から指示されたとしたら、当然どの1ヶ月も28回以上になります。

 

ということで、(ロ)の750点を算定。

 

多い患者さんでは、1日に3回もインスリン注射をしていることもあります。

今月4月なら、3回×30日で1ヶ月で90回です。

もちろん、750点取りますよね。

 

簡単です(笑)

 

ところが、インスリン注射の中でも、そもそも1週間に1回しか打たなくて良いというものがあるのです。

 

患者さんが来院される日によって、1ヶ月が4~5週。

4回か5回なので、(イ)の650点です。

 

先生から毎日1回の指示があれば、インスリン注射の種類や単位数に関係なく、それだけで750点算定できます。

 

週に1回なら650点というふうに・・、1ヶ月に打つ注射の回数を考えれば良いのです。

 

 

1ヶ月って?月末の受診だったら・・

 

月28回以上のこの「月」という意味。

診療報酬点数早見表によると「当該月」です。

 

そもそも月という意味が、先ほどの2月が28日、3月が31日、4月が30日と解釈すると、ちょっと頭がこんがらがります(笑)

 

なぜなら、月々で考えてしまうと・・。

 

もし4月15日に受診したら、4月はあと16~30日の15日間で15回。

650点しか取れなくなってしまいます。

 

この原理でいくと、4月なら3日以降に来院した場合、27日(27回)以下で全て650点になってしまうものね~~(^▽^;)

 

在宅自己注射指導管理料の点数は、月末の来院だったら650点・・なんていうことにはなりません。

 

 

あくまでも『医師が当該月に在宅で実施するよう指示した注射の総回数』。

「当該月」は、その月・当てはまる月。

 

受診された日の、その月の算定方法の基準回数が27回か28回で分けられているだけです。

 

なんだかわかりにくいですね~~(;´∀`)

 

「当該月」とは、一ヶ月間のことというのが私の解釈。

 

自己注射を在宅で実施するよう指示した「実施月」、その「期間」です。

在宅自己注射指導管理料を算定する日が「属する月」という意味。

 

私は「実施日」から見て一ヶ月間を考えています。

4月30日をまたぐなら30回、5月31日をまたぐのなら31回という感じです。

 

まぁ、考えたら1日1回以上の自己注射を指示された時点で、750点ですけどね~(;^_^A

 

要は、先生が言われたインスリン注射の回数。

毎日1回なのか、週に1回なのか・・。

 

インスリン注射の薬剤の処方日数の数え方や自己血糖測定器加算のときの回数と、ごちゃごちゃになって、わけが分からなくなるのが在宅自己注射指導管理料です(笑)

 

 

糖尿病に関しての記事はこちらにもあります。

糖尿病のインスリンに管理料を算定。取り忘れの点数はない?

血糖自己測定器加算のレセプトコメント。記載漏れはない?

 

 

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入院したら?1ヶ月の考え方

 

ではでは、なぜこのややこしい「当該月」という言葉が出てくるのか・・。

 

これまで書いてきた回数に関して、うちではだいたい(ロ)の750点の患者さんが多いです。

 

ほぼほぼ、既存の患者さんは1日に1回注射をされているから。

週に1回の患者さんは、チラホラという感じです。

 

月に1回、必ず受診して内服薬も取りに来られるので、インスリン注射も1ヶ月分処方します。

 

けど、途中で入院するという患者さんがいたとしたら・・。

1ヶ月の回数の考え方に「ちょっと待って~。いつも通りの点数の算定で良いの?」なんて疑問が浮かんだりします。

 

(。´・ω・)ンンン??

そんなこと考えたことない!って?

 

あらら・・(^^;)

 

一応、在宅自己注射指導管理料の通知には次のような項目があります。

医師が当該月に在宅で実施するよう指示した注射の総回数に応じて所定点数を算定する。なお、この場合において、例えば月の途中にて予期せぬ入院等があり、やむを得ずあらかじめ示した回数が在宅で実施されなかった場合であっても、当該指示回数に応じて算定することができる。ただし、予定入院等あらかじめ在宅で実施されないことが明らかな場合は、当該期間中の指示回数から実施回数を除して算定すること。

 

もちろん、入院中は在宅ではないですよね。

「在宅医療」である管理料は取れません。

 

でも、予期しないことが起こり、在宅では実施できない状態になったのなら仕方ないということです。

 

すでに在宅自己注射指導管理料を算定したものは、認められています。

 

済んだことはやむを得ません(笑)

いつも通りの算定でOK。

 

ただ、あらかじめ入院の予定が決まっているときは、1ヶ月の回数から省かなければならないのですね。

 

 

たとえば、3月20日に受診。

3月末から骨折で入院してしまって、5月25日に退院され26日に来院。

 

入院していた事実を知らされていなかったので、3月のレセプトは750点算定できます。

というか、もう提出し終わってますよね(笑)

 

で、5月26日に又、インスリン注射を1日1回の指示で30日分処方したとします。

当然、(ロ)750点の算定です。

 

3月末から入院していたなんて、3月分は(イ)650点だったのでは・・?と考えなくても大丈夫。

入院は予期せぬ出来事だったのですから・・

 

ですが、3月20日に4月10日からの入院予定が判明していたのなら・・。

 

3月は31日なので、20~31日分と4月の1~9日までの20日間。

20回となります。

 

入院中、在宅で実施されない日数は除して算定するので、3月分は(イ)の650点です。

 

さかのぼって考える必要はありません。

過去の入院分は、在宅で実施されなかったとしても算定上は認められるのです。

 

「在宅」という意味から除外するのは、在宅自己注射指導管理料を算定する日以降の
決まっている予定の入院だけです。

 

「当該月」の一か月間の予定入院には気をつけましょう。

 

 

まとめ

 

本日は、在宅自己注射指導管理料を算定するときの回数に考え方について書いてみました。

 

当たり前のような算定方法ですが、「当該月」や「総回数」の意味が混乱を招いている
ケースもあるようです。

 

私は、今まで書いたような考え方で点数を取ってきました。

あくまでも私の見解です。

 

28回というのがネック。

うちでは普段から、週に1回のインスリン注射を使用している患者さん以外には、750点を算定しています。

 

在宅で、医師が少なくとも1日1回実施するよう指示。

当該月に、注射の総回数に応じて点数を選択します。

 

1ヶ月分、1日に1回以上の指示なら750点。

週に1回なら650点です。

 

『医師が当該月に在宅で実施するよう指示した注射の総回数に応じて所定点数を算定する』

当該月・総回数、ここの部分が大事です。

 

当該月に算定した在宅自己注射指導管理料とは、月初めであろうが月末であろうが同じ。

患者さんへ指示したその日に、医師が決めた総回数によって算定します。

 

4月という日に当てはまるなら、いつでも30日(30回)です。

 

考え方は4月は30日間なので・・30回というのでOK。

4月の何日に受診されても、次の1ヶ月後までは30日間という感じ。

 

5月は31日まであるので、1ヶ月は31回という意味です。

5月のいつ受診されても、次回来られる1ヶ月後まで31日(31回)分、インスリン注射の薬剤を処方されます。

 

要するに1日1回の指示なら、どの月も28回以上になり、750点算定できるのですよね~。

 

在宅自己注射指導管理料を算定は、予定の入院が決まっている時のみ、注意しましょう。

 

次回は、インスリン注射の種類や処方した薬剤の日数計算について書いてみようと思います。