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医療事務のお仕事、もしくは資格を取ろうと勉強に頑張っておられますか?
現役で働いていても、新しい通達があるとそれに対応していかなければなりません。
基本的なことを押さえつつ、上書きしたりプラスしたりして・・。
糖尿病の患者さんに算定する在宅自己注射指導管理料や加算点についても、改定によって変化していってます。
先日も、在宅自己注射指導管理料について少し触れましたよね。
そのときに、インスリン注射の種類や処方した薬剤の日数計算についても書くよ~と話したので、今日はこのあたりをお伝えしようと思います。
インスリン注射の種類って、けっこうあるのです。
小さな診療所でも、患者さんにインスリン注射を処方するのですが、算定できる点数や回数など医療事務として把握しておく必要があります。
インスリンの種類を例に挙げて、単位数や薬剤の日数計算などをみていきましょう。
糖尿病の患者さんが来院される医療機関に勤務するなら、知っておくべきことです。
インスリン注射の種類と単位数や日数について
・医療事務の資格を取ろうと学習中
・初めて医療機関に勤める
そんなあなたは知らないかもしれませんが、インスリン注射は冷蔵庫に保管してあります。
1箱に2キット。
2本入っているのです。
医師から指示のあった単位数で、自宅で患者さんが自分で打ちます。
医療事務の算定では「在宅」という項目。
どんな薬剤があるの?
初めて自己注射を開始する患者さんには、事前に十分な教育期間がいるのです。
インスリン注射を打つと決まると、在宅自己注射指導管理料を算定します。
診療報酬点数早見表という点数本には
在宅自己注射の導入前に、入院又は2回以上の外来、往診若しくは訪問診療により、医師による十分な教育期間をとり、十分な指導を行った場合に限り算定する。ただし、アドレナリン製剤については、この限りではない。
と書かれていますから。
で、医師から指示のあったインスリン注射を患者さんに渡します。
主な種類を挙げてみましょう。
① ランタスXR 1日1回
② ノボラピッド 1日3回
③ トレシーバ 1日1回
④ ヒューマログ 1日3回
⑤ ノボリン 1日3回
⑥ グラルギン 1日1回
⑦ レベミル 1日1回(2回の場合あり)
⑧ ライゾデグ 1日1~2回
⑨ ビクトーザ 1日1回
⑩ ゾルトファイ 1日1回
⑪ ビデュリオン 週1回
⑫ トルリシティ 週1回
⑬ オゼンピック 週1回
まだ他にもいろいろあるでしょうが、私が見たことのあるインスリン注射はこんな感じです。
厳密にいうと、全部がインスリン製剤とはいわれていません。
・体からインスリンを出しやすくする作用があるもの
・インスリンそのものを補充するもの
インスリン製剤とはインスリンそのものを補充する薬剤ですが、この記事ではまとめてインスリン注射と書いています。
ちなみに①~⑧はインスリン製剤です。
なんだかややこしくて、すみません(;^_^A
インスリン注射は1箱に2キット入っていて、1キットは300単位。
⑨~⑬までは、一度に打つ量が決められています。
①~⑧までのインスリン注射は、医師から決められた単位数で打つのです。
医師から決められた単位数による計算
インスリン注射は1本300単位だとお伝えしましたよね。
ということは、単位数によっては一ヶ月分の処方本数が変わるということです。
医師が単位数を決めた後、処方する量を計算して何日分に相当するか把握しておきます。
例を挙げて計算してみますね。
ノボラピッド注フレックスタッチ 朝5・昼10・夕5単位の指示があったとします。
1日3回、毎食直前に打つインスリン注射です。
インスリン注射を打つときには空打ちというのがあって、指示された単位数に2単位がプラスできます。
5+10+5+=20単位、朝昼夕それぞれに空打ち2単位ずつの6単位を加えて、合計で26単位。
1本は300単位なので、300÷26=11.5…、小数点以下は切り捨てます。
1本で11日分となります。
うちでは、だいたい1箱単位で患者さんに処方。
インスリン注射は1箱に2本入っているので、600÷26=23.0…で23日分と計算しています。
11日分×2本で22日分と考えることもできますよね~。
このあたりは医療機関によって微妙に違うかもしれません。
ここで内服薬が30日分処方している場合。
インスリン注射は1箱で23日分しかないとなってしまいます。
これも、さまざまな処方方法があるでしょうが、患者さんに何度も来院してもらうのは大変なので、うちは1ヶ月分は必ずあるようにお渡し。
となると、2箱で300単位×4本=1200単位。
1200÷26=46.1..で46日分。
1ヶ月分の内服薬に対し、インスリン注射は1ヶ月半あることに・・。
次月は、1箱で足りそうですね。
開始して使い出すと、ノボラピッドの場合は4週間というのが使用期限です。
開封していない場合は大丈夫。
1ヶ月を少し超えるぐらいに処方し、1年12ヶ月長~くみて365日分に近くなるような日数計算でインスリン注射を出す処方方法です。
単位数の関係で、まだ1ヶ月分くらいは残っているよ~みたいな感じのときは、インスリン注射の処方がない場合もあります。
単位数が減ると、余ってくることもあるでしょ。
1ヶ月に全くインスリン注射の処方がないときは、レセプトに残薬ありとコメントを入れて、在宅自己注射指導管理料を算定。
患者さんは自宅できちんと自己注射されていますから・・。
インスリン注射の処方日数はレセプトに記載。
在宅自己注射指導管理料の算定は、28回以上か27回以下かで点数が変わってきます。
こちらの記事も、良かったら読んでみてください。
※『在宅自己注射指導管理料の回数の考え方。月末から始めたとき』
こんな感じのインスリン注射の処方で、もう何十年も査定の経験はありません。
在宅自己注射指導管理料を算定するときの回数、自己注射を打つ単位による日数管理。
インスリン注射の種類も把握しておいたり、何日分の処方なのかを打つ単位や回数によって
計算しなくてはならないのですね。
医療機関によって、少し違った考え方もあるかもしれませんが・・(;^ω^)
まとめ
インスリン注射の種類もだんだん増えてきています。
先生も頭を抱えながら単位数を調整して、糖尿病の患者さんを治療されているのです。
新しいものが発売されるたびに、メーカーさんが説明に来られます。
医療事務も、どんな種類のインスリン注射があるのか興味を持っておきましょう。
単位数によって日数を計算し、患者さんへの約1ヶ月分の処方が何本になるのか理解しておいてください。
医療事務の資格取得のための試験には出そうにもありませんが・・(^^;)
現場では把握しておく必要があります。
患者さんとのコミュニケーションを取るにあたっても、インスリン注射の種類・名前は知っておきましょう。